何気なく立ち寄った書店で目に留まった本を買うこともあれば、世間で話題の作品を「指名買い」することもあります。ジャンルもバラバラ。そういう意味では、読書におけるお決まりの行動パターンはないですね。
何気なく立ち寄った書店で目に留まった本を買うこともあれば、世間で話題の作品を「指名買い」することもあります。ジャンルもバラバラ。そういう意味では、読書におけるお決まりの行動パターンはないですね。
「TPP亡国論」は、とある新聞の書評で取り上げられていたのがきっかけで手にしました。ちょうど、日本のTPP(環太平洋経済連携協定)への参加の是非が連日のようにマスコミで報じられていた昨年夏のことです。経済浮揚や対米外交といった、今の日本がかかえる課題や立ち位置を整理する上では、とても参考になる書籍でした。
これを読んだ直後のことですが、学生時代に何度も目を通した本のことを思い出しました。それは、「組織間関係─企業間ネットワークの変革に向けて」という書籍。私は学生時代、経営学部に在籍していたんですが、その時のゼミの指導教授の著作なんです。企業と企業の力関係は何に基づいているのかを類型化すると共に、お互いによい結果を得るには何をどう変えていくべきなのかといった視点も織り込まれています。先のTPPにおける国同士の関係も、実は学生時代に勉強していたことの延長線上にあるんだということを再認識することにつながりました。
こんな風に、随分と前に読んだ内容が、最近になって色々なことと結び付いて腑に落ちるということが多々あります。最初は消化不良を起こしていても、知識や経験値などが増えれば、頭の中で論旨をうまく整理して組み立て直すことができるのかもしれません。その意味でも、日頃から貪欲に本を読んで頭に“種”を植えておくことは大事だと感じましたね。
打って変わって、「AccessVBA実践のツボ─VBAはココで使う」も思い出深い1冊です。元々は文系でコンピュータとの接点など無かったのですが、ひょんなことからシステム担当の職務に就くことになりました。業務をシステム化するという行為を“等身大”で学ぼうと思ったのがAccessに接したきっかけです。徐々にレベルアップして、VBAもかじるようになりました。そんな頃、とある要件を実装しようとして壁に当たってしまったんです。で、世間の腕利きは、どんなコードを書いているんだろうと気になって参考にしたのがこの本。目からウロコの技もたくさん詰まっていて、発見の連続でした。これで、プログラムを作る楽しさを最終的につかめた気がします。
最後に挙げるのが「能率手帳の流儀」。当社会長の野口が、手帳と共に歩んできた半生を記した内容です。ここで自社本をPRするなって声が聞こえてきそうですが(笑)、ウソ偽りなく心に残る1冊です。手帳って、突き詰めれば紙とペンなわけですが、その使いこなしによって「豊かな人生を送るツール」に大化けすることを再認識しました。
私自身、学生時代から能率手帳を使ってますが、単なるスケジュール&アドレス帳の域を出ていなかったんです。でも、この本を読んで変わりました。日ごろ気になることを徹底してメモすると共に、定期的に振り返る習慣が確実に身に付いてきたんです。実践者が培ってきたノウハウには、人を感化する力があることの現れだと思います。
AccessVBA実践のツボ
─VBAはココで使う
高橋 良明 著
ISBN: 978-4901676397
九天社
2730円
能率手帳の流儀
野口 晴巳 著
ISBN:978-4820717096
日本能率協会マネジメントセンター
1470円
- 市川 真大 氏
- 日本能率協会マネジメントセンター 情報システム部 次長
- 1998年4月に日本能率協会マネジメントセンターに入社。通信教育事業本部にて、事業部内業務システムの保守・改善などの業務に従事する。2005年4月、総務部業務・システム推進室(現在の情報システム部)へ異動し、基幹系システム刷新プロジェクトをけん引。2009年4月より現職
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