金融機関のリスク分析や、通信事業者における顧客の離反防止などのモデルを作成する、データ分析のプロフェッショナル集団、金融エンジニアリンググループ。彼らがこれまでやってきたことと、データサイエンティストの間にはどんな関係があるのだろうか。代表取締役社長の中林三平氏に話を聞いた。
長年、データ分析を手掛けてこられた貴社の目には、データサイエンティストとはどんな存在に映りますか?
中林: 当社には、分析技術者と呼んでいる人間が40人ほどいます。彼らは、いわゆる“データサイエンティスト”と言えるでしょう。データサイエンティストの要件とされているスキルは、いずれも、私たちの仕事に必要不可欠なものです。データを分析するためにはITを使えないといけないし、いくら精度の高いモデルを作れても、ビジネスの役に立たなければ意味がない。だから、モデラーとして教育する一方で、名刺の肩書きはコンサルタントとしているんです。
データの量や種類が増えたことで分析の仕事に変化はないのでしょうか?
中林: 特に、大きく事情が変わったということはないですよ。新しい分析手法が出てきたということもない。ただ、ITの部分がじわじわと形を変えつつありますね。データ量が増えたり、新しい技術が出てきたりした。例えば、これまではDWHにデータが保管されていたが、今後はHadoopにデータを蓄積するケースも出てくるでしょう。すると、SQLではなくJavaやHiveを使わないといけなくなる。そうした変化に追随していく必要はあります。
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