連結会計用システムの構築などを手がけるディーバと、製造業向けソフト「MCFrame」を開発・販売する東洋ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)の両社は2013年6月20日、グローバル展開する企業における原価管理を実現するためのソフトを共同開発した発表した。生産工程が海外をまたがる企業でも、製造拠点を連結しての原価の把握が可能になるという。
共同開発したのは、MCFrameなどの生産・販売管理システムが持つ実績データから、連結ベースでの原価情報を生成するためのソフトウェア。ディーバは「DivaSystem ECM(Enterprise Cost Management)」として、B-EN-Gは「MCFrame XA 原価管理」として、それぞれが販売する。
DivaSystem ECM/ MCFrame XA 原価管理では、会計システムから取り込んだ費用の振り替え結果などと組み合わせることで、製品単位での原価を算出する。一般的な連結会計の仕組みでは、「売上原価」などに一本化されてしまい、最終工程での原価しか把握できないため、グローバルで原価を企画したり見積もったりすることが困難だったという。
DivaSystem ECM/ MCFrame XA 原価管理は、連結ベースでの標準原価や予算原価、実績原価が計算できるほか、需要や為替変動を加味したシミュレーションといった機能も持っている。
ディーバによれば、グローバル企業の中には、連結原価を管理するためにERPソフトをカスタマイズしたり、DWH(データ・ウエアハウス)とBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを使って必要なデータを抽出・分析する仕組みを構築したりしている。いずれの方法も大きなコストと構築期間がかかるが、DivaSystem ECM/ MCFrame XA 原価管理は、DWH/BIツールを使って構築する部分を標準化・パッケージ化した仕組みのため、「より安価に、かつ早期にグローバル原価管理が可能になる」(ディーバ)という。
Diva System ECM/ MCFrame XA 原価管理は、2012年4月に発表した両社による連結原価管理のための共同開発プロジェクトの具体的な成果になる。今後は、B-EN-Gの「MCFrame XA 原価管理」を「DivaSystem MCM(Manufacturing Cost Management)」としてディーバも販売する計画だ。
DivaSystem ECM/ MCFrame XA 原価管理を使ったシステム構築価格は、5000万円程度から。2013年7月末から出荷を開始する。ディーバは初年度に10社の販売を目標にする。