米国では毎年、5月25日を「Geek Pride Day(ギークを誇る日)」として、ギーク(奇才)であることを讃え合っている。ギークが新しい時代を切り開いてきたことは間違いない。日本でも次のギークを世に送り出す機会の創出が不可欠だろう。
「Geek Pride Day(ギークを誇る日)」は、映画スターウォーズの第1作『A New Hope』が封切られた1977年5月25日にちなんで設定されている。自らギークと名乗る若者たちが、買い求めたギークグッズ(ギークな衣装や小道具など)を身にまとい、町を練り歩いたりギークパーティーを催したりする。その模様はテレビのニュースで取り上げられるほどだ(写真1)。
ギークはインテリでプロとして成功が容易!?
ギークとは、どんな人たちなのだろうか。米国の大手人材紹介会社Modisが2013年4月に、18歳以上の若者1011人を対象に実施した「ギークプライド調査」によれば、ギークの資質の第1は、テクノロジに強く、好奇心が旺盛であることだ(図1)。また、インテリであり、プロとして成功しやすいとも考えている。つまり米国では、品行方正で生真面目な青白い秀才(Nerd)よりも、常道を逸した鬼才あるいは奇才であるギークであることに好感を持っているのである。
当然ながら、新しいものを好む。自らがギークだと認識している若者は、「スマート時計(スマホ機能を持つ時計)」や「スマート眼鏡(グーグルグラスなどスマホとカメラ機能を持つ眼鏡)」が発売されれば「すぐに買う」と答える率が高い(表1)。
こうした背景には、IT業界におけるベンチャーの歴史がある。表2は、新しいビジネスを起業し、世の中を変えてきた主な人物の生年月日と彼らが青春時代(20代)を過ごしたころのIT環境をまとめたものである。これを見れば、青春時代に夢中になったIT環境が、その後の起業の大きな要因となっていることが分かる。
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