富士通は2014年2月19日、データウェアハウス(DWH)の新版「FUJITSU Software Symfoware Analytics Server」の販売を開始した。企業のビッグデータ活用に照準を定め、従来製品比で最大500倍のクエリ性能を特徴とする。
DWH新版を投入した背景として富士通が挙げるのは、企業のビッグデータ活用の取り組みが進む中で、専任部門によるデータ分析や戦略策定だけでなく、現場の事業部門が分析結果を下に適切かつ迅速に判断し行動するためのデータ分析基盤の必要性である。
Symfoware Analytics Serverは、同社の「FUJITSU Software Symfoware Server」データベース製品群において、ビッグデータエンジンを強化するミドルウェアとして投入されるDWHである。アーキテクチャに列(カラム)単位で格納しデータアクセス可能なカラムストア方式を採用し、富士通独自の高速クエリエンジンを搭載。従来製品に比べてベンチマーク実測値で最大500倍の高性能クエリ性能を発揮する(ベンチマークは、6億件/100GBの注文明細レコードを対象に、顧客マスタ結合して売上上位を抽出するシナリオで実施され、従来約6時間の処理を約40秒で完了)。この高速な検索性能により、従来なら数時間かかっていたような大量データの集計処理を数秒で処理できるケースがあるという。
また、これまでシステム管理者の大きな負担になっていた、DB/DWHシステムの定期的なパフォーマンスチューニング作業については、ハードウェアリソースを自動認識し、最適なメモリ割り当てを行う「スマートチューニング」技術を搭載することで問題解決を図っている。
このほか、Symfoware Analytics Serverでは、利用者自身で簡単に事前のデータ準備ができるGUI/テンプレートと、使い慣れたツールやアプリケーションの操作環境を踏襲可能なオープンインタフェースを採用。データベース管理者は、データ活用に必要な一連の機能を統合して、導入時の作業軽減と時間短縮を実現できるようになるという。
Symfoware Analytics Server Standard Edition V12の稼働サーバー環境は、Windows Server 2008 R2およびRed Hat Enterprise Linux 6が現時点での検証済みOSバージョンとなっている(他バージョンについては要問い合わせ)。コアライセンス価格は980万円より。