コンカーと日本CFO協会は2014年4月1日、「経費精算の現状と課題意識」に関する調査結果を発表した。調査によれば、従業員の40%、管理職の35%が経費精算業務を負担に感じていることが分かった。経理部門でも、55%が単純な経費規定違反のチェックについて負担になっていると回答している。
調査対象は、日本CFO協会の会員メンバーと、協会が主催する各種セミナーに参加した企業。2014年1月21日から2月3日にかけて、オンライン上でアンケート調査を実施。993サンプルを得た。回答者の所属企業は、売上高1000億以上が55%、従業員数5000人以上が46%。
精算システムには、作業負担を軽減する機能を搭載するものもあるが、浸透しているとは言えない状況だ。例えば、SuicaやPASMOなどの交通ICカードからデータを自動的に取り込んでいると回答した企業は全体の4%。回答企業の78%は、経費や交通費をシステムに手入力したり、紙の申請書を提出したりしている。また、回答企業の68%はスマートフォンを何らかの形で業務利用しているが、経費精算をこなせるようにしているのはわずか6%だった。
回答企業の56%が、経費プロセスに問題意識を持っている。例えば、経費の不正利用のチェック。経費規定が従業員に十分浸透していないと答える企業が43%に上る一方、管理職の承認作業が違反のチェックに役立っていないと全体の41%が回答。経理部門でもチェックに十分な時間を割けていると回答したのは27%にとどまった。回答企業の41%は、不正を全て検知することはできないとしている。
経費の使途や、承認プロセスの進捗状況、規定違反の実態などを可視化できていると回答したのは全体の35%だった。