三菱東京UFJ銀行と三菱総合研究所は、宮城県女川町における災害公営住宅建設事業に電子記録債権を活用。建設業者への出来高払いを実現し、工事進捗の円滑化を支援している。クラウド上に構築したシステムが、この取り組みを支えている。
宮城県女川町の災害公営住宅建設においては、地元建設業者が共同で設立した一般社団法人が町から事業を受注。全戸引渡時に一括支払を受ける方式を採っている。このため、事業者は通常の公共工事で採用される前払金を受け取れず、人件費や資材購入費などを各自で立て替えなければならない。資金繰りが間に合わければ、工事に遅れが発生する恐れもある。
三菱東京UFJ銀行と三菱総合研究所は、こうした状況を打開して女川町の復興を加速させる策を検討。電子記録債券を活用することにより、工事進捗に応じた出来高払いを実現する仕組みを整備した。2014年3月の運用開始以来、これまでに16棟の災害公営住宅の建設事業がこの仕組みを採用した。
新たな資金支援の流れとして、建設事業者は、物件の工事進捗を示すエビデンス(物件の写真と位置情報)を工事進捗管理システムに登録する。出来高確認者である三菱総合研究所は、エビデンスを確認したうえで債権管理サービス合同会社に出来高情報を伝達。債権管理サービス合同会社は工事進捗に応じた電子記録債権を振り出し、町がこれを建設事業者に譲渡する。
マイクロソフトのクラウドサービス上に、工事進捗管理システムを構築した。日本ビジネスシステムズが構築を担当した。建設事業者の入力デバイスは、Windows 8.1搭載タブレット。より正確な位置情報を記録できる高精度GPSモジュールを搭載している点を評価した。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 三菱東京UFJ銀行、三菱総合研究所 |
事業内容 | 金融、シンクタンク |
導入システム | 工事進捗管理システム |
導入目的 | 災害公営住宅建設における出来高払いの実現 |
主な利用製品 | 「Microsoft Azure」 |