レノボ・ジャパン、エス・アンド・アイ(S&I)、双日システムズは2015年5月27日、企業向けセキュリティソリューション「ThinBoot PLUS」の販売を開始した。同ソリューションは、従業員が使うPCにシンクライアント導入相当のセキュリティレベルをもたらし、PCの一元管理を可能にする仕組みを備える。
ThinBoot PLUSは、組み込み用OSのWindows EmbeddedをインストールしたPCをクライアント端末とし、サーバーから配信される仮想化された業務アプリケーションにアクセスして利用する。レノボがベースとなるPCハードウェアを提供し、S&Iが端末にWindows Embeddedをインストール/設定。ユーザーが使う業務アプリケーションは、双日システムズのアプリケーション仮想化ソフトウェア「Spoon」によってサーバーからストリーミング配信されるという仕組みをとる。
特徴は、通常のPCをベースとしながら、専用のシンクライアントシステムと同等のセキュリティレベルを実現している点にある。例えば、個々のクライアント端末で作成した書類などのデータは端末に保管できず、あらかじめ指定されたファイルサーバーにのみ保管する。また、USBメモリやスマートデバイスの接続制限なども設定可能だ。
レノボらは従来のシンクライアントシステムの短所として、ハードウェア/ソフトウェアの両方で多大な導入コストがかかる点を挙げる。3社によると、ThinBoot PLUSでは、ユーザー企業がシンクライアントと同等のセキュアな仕組みを、通常のPCを導入する際のコストの1.2~1.3倍程度で手に入れることが可能になるという。
また、すべてのユーザーデータをファイルサーバーで一括管理するため、バックアップの一元化が行えるほか、ログ管理ツール「MylogStar」が標準で付属する。また、仮想アプリケーションの配信サーバーにクラウドサービスを利用するなどの構成も可能になっている。
ThinBoot PLUSはエス・アンド・アイ、双日システムズをはじめとするレノボの販売パートナーを通じて販売される。価格は構成によって異なり、販売パートナーへの問い合わせが必要となる。