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[市場動向]

システム展開の主流に浮上するコンテナ技術、20社が参加し「Open Container Project」が発足

2015年6月29日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

既存の仮想化技術と補完関係にあり、ひと味違うメリットをもたらすコンテナ技術。未成熟と思われてきたが、IT業界の主要企業が標準化の推進で合意したことで、一気にメインストリームに浮上しそうだ。利用企業にとって要注目の動きである。

 「コンテナ(containers)」は、実行に必要なライブラリーなどとともにアプリケーションをパッケージ化することで可搬性を確保し、ベアメタルから仮想化サーバー、クラウド環境まで、いずれでも稼働可能にする技術である(図)。

図:仮想化とコンテナのイメージ(出所:DockerのWebサイト)図:仮想化とコンテナのイメージ(出所:DockerのWebサイト)
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 コンテナ技術の利点は、小さなアプリケーションを組み合わせて複雑なアプリケーションを構築するマイクロサービスアークテクチャーの考え方を実装しやすく、極めてスピーディにアプリケーションの機能を変更したり、強化しやすくしたりできること。ITリソースの使用量も仮想化ソフト以上に高められることなどから、注目度が一気に高まっている。

 企業ITの世界ではまだ馴染みが薄いコンテナ技術だが、一気にメインストリームに浮上する可能性が高まった。2015年6月22日に、普段は厳しく競争し合っているIT企業同士が“呉越同舟”し、コンテナの仕様やランタイム(実行プログラム)の標準化を推進すると発表したからだ(発表文)。

 標準化プロジェクトの名称は「Open Container Project (OCP)」。参加するのは、AWS(Amazon Web Services)、 Apcera、Cisco Systems、CoreOS、Docker、EMC、Fujitsu、Goldman Sachs、Google、HP、Huawei、IBM、Intel、Joyent、Linux Foundation、Mesosphere、Microsoft、Pivotal、Rancher Labs、Red Hat、VMwareである。これだけのIT企業が参加する取り組みは、あまり例がないと言えるほどの顔ぶれだ。

 OCPでは今後、Linux Foundationの元、ベンダー中立のオープンソースモデルに則って、コンテナの仕様とランタイムの標準化を進める。そのためにDockerはコンテナの仕様とランタイムのコードをプロジェクトに寄贈する。OCPの標準はDockerがベースだが、CoreOSなどのコンテナとの互換性も確保することになる。

 つまり、コンテナ技術で実質標準の地位を築きつつあるDockerと、仕様が異なるコンテナ技術を開発しているCoreOSが標準化の推進で合意したわけだ。そうである以上、CiscoやIBM、Microsoftといった大手も、GoogleやRed Hatなどと同じ舟に乗るしかなかったのかも知れない。プロジェクト名がFacebookが主導する「Open Compute Project(OCP)」と似て紛らわしいが、今のところFacebookは参加していない。

 プロジェクト発足の意図をOCPはWebサイトで次のように説明する。

 「過去2年、コンテナ技術への関心と利用が急成長し、多くのソリューションが登場した。それ自体は歓迎すべきだが、アプリケーションの可搬性を確保するコンテナの目的に照らすと、コンテナの仕様と実行プログラムに関して標準を確立する必要がある。Dockerが実質標準だとしても、よりフォーマルでオープンな仕様への関心が高まっている」

 一方、唯一のユーザー企業であるGoldman Sachs(実体はIT企業に近い?)は、発表文で「アプリケーションのデリバリーや管理、デプロイに関する我々の計画は、オープンな技術標準に準拠している。コンピューティングやネットワークの領域でも共通の標準を当初から支持し、また初期の利用者であり続けてきた。従ってOCPについても心からサポートする」(Global co-head of TechnologyのDon Duet氏)とコメントしている。

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