企業内情報システム部門の未来を考える(下)〜Globalization、Cloudizationに向け人材に着目せよ〜
2015年7月16日(木)CIO賢人倶楽部
「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、CIO賢人倶楽部アドバイザーである沼 英明 氏のオピニオンの後編です。
「企業内情報システム部門は、LOB(事業部門)の協力を得にくくなる中で、今までより少ない人数で今までより多くの成果を出さなければならない」−−。前回、こう指摘した。“Cost Leadership” と “Operational Integrity” 、そして “Value Creation”の3つをいかに鼎立させるのか、という命題でもある。
筆者はここに至って初めて、クラウドなるものを深く考え始めた。クラウド登場間もない頃は、その機能やメリットなどは分かるが、成熟度が低かったため、あまり興味もそそられなかった。しかし、2015年に入って、クラウドサービスを生業とする、あるグローバル企業のサービスポートフォリオに触れたとき、進化の速さと完成度の高さを目の当たりにした。同時に自分の不勉強さを大いに恥じた。
クラウドの進化に着目する
初期のクラウド、例えばSaaSは単一のビジネスアプリをインターネット経由で利用し、その利用に対して料金を支払うものだったが、セキュリティポリシーの納得性や料金体系の魅力に欠けるものが多かった。しかし現在では、優秀なプラットフォーム上に構築された主要アプリケーションの全ポートフォリオを、将来にわたって計画し、サービスとして提供するクラウドが私達の目の前にある。
発注から稼働までの期間も月ベースから週ベース、日ベースへと劇的に短縮され、 TCO(総所有コスト)を考えるとクラウドの利点は非常に大きい。あるクラウドサービスそのものをグローバル標準と位置づけ始めている企業も出現している。
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