「CIO賢人倶楽部」と「BSIA」、2つのコミュニティの運営理由と求める価値
2025年8月27日(水)CIO賢人倶楽部
「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、CIO賢人倶楽部 会長 木内里美氏からのオピニオンである。

筆者がCIO賢人倶楽部を立ち上げて16年目になる。我ながら任意団体でよく続いているものだと思う。その2年後に立ち上げたビジネスシステムイニシアティブ協会(BSIA)はNPO法人として活動を続けている。いずれもエンタープライスシステムの責任者を務めた筆者自身の経験から、必要性を感じて設立したコミュニティだ。
CIO賢人倶楽部はCIO(およびCDO)のためのコミュニティである。実際にその立場になってみると分かるが、CIOがITやシステムに関して何か相談したいと思っても社内には相手がいない。ITベンダーに相談するわけにもいかない。筆者の場合、むしろベンダーと密な関係になることを好まなかったので、接待の類はまったく受けず、特別な招待にも参加しなかった。
それは取引において対等性を保つためのベースだったからだ。特に大手ベンダーとは厳しい折衝をよくやった。それでも敵対するようなことはなく、まとまったロットで発注するので、喜ばれたり感謝されたりしながら大幅なコストダウンにもつながった。この経験でベンダーマネジメントの手法や心得を体得した。
当時、「CIOは孤独だ」という思いが強かった。社内に相談相手がいなくても大きな投資金額の判断をしなければならず、責任も取らねばならない。筆者の場合、事業部門から門外漢のシステム統括になったために、余計にその思いが強かったのかもしれない。投資に失敗したら、辞職する覚悟で取り組んでいた。だれにも相談しなかったかというとそうではない。異業種の同じような立場の人たちに相談相手を求めた。時期を同じくして同様の取り組みをしている会社をよく訪問した。異業種だと結構詳しく内情の話もしてくれて、大変参考になった。
そんな経験から、中立で公平な異業種のCIOが交流する場としてCIO賢人倶楽部を立ち上げた。大きな失敗なく大規模なシステムの再構築を完了させ、CIOを退いて子会社の常勤監査役を務めているときである。会員には金銭的な負担をかけず、活動趣旨に賛同してくれる協賛会社の支援で運営している。協賛社はすべてベンダー企業である。監査役を任期満了で退任してから株式会社オランを立ち上げ、コンサルティングビジネスをしながら、CIO賢人倶楽部の運営をするようになった。
CIO賢人倶楽部というネーミングは、2000年頃、米国にSAGE(Strategic Advisory Group for Executives、SAGとも呼ばれていたらしい)というコミュニティがあり、それに倣ったものである。SAGEは主にCIOやITリーダーが集まり、戦略的アドバイスや業界のトレンドについて情報を共有し、リーダーシップ開発やネットワーキングの機会を重視していた。英単語の“Sage”には「シソ科の多年草(ハーブ)」に加えて「賢者」という意味があり、そこから賢人倶楽部と名づけた。
●Next:“ユーザー主体開発”のムーブメントの中で
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