SSLサーバー証明書などの認証サービスを展開するサイバートラストは2015年7月7日、米DigiCert社との提携を発表した。提携に基づき、DigiCertが提供するSSLサーバー証明書やコード署名証明書などのセキュリティサービスを、サイバートラストが日本および東南アジア地域で提供する。
サイバートラストが提携したDigiCertは、企業認証付SSLサーバー証明書の発行枚数で世界第2位のシェアを持つ認証事業者。世界約180カ国、11万5000社以上の顧客を持つ。2015年6月には米ベライゾンからSSL事業を買収し、上位の認証局であるパブリックルート認証局を取得している。
サイバートラストはこれまで、国内に認証局を持ち、SSLサーバー証明書の「SureServer」「SureServer EV」やPKI(Public Key Infrastructure:公開鍵暗号基盤)関連サービスを、国内企業にのみ提供してきた。今回、DigiCertとの提携により東南アジアへのサービス展開を加速する。
2014年11月にはシンガポールに子会社「Cyber Secure Asia」を設立し、東南アジア地域への進出を図っていた。今後は、東南アジアの顧客に対してDigiCertの証明書サービスを提供する。眞柄泰利社長は、「証明書サービスの技術力を生かし、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連の新事業に乗り出そうとしている。今回の提携を新事業のグローバル展開の足掛かりにしたい」と語る。
一方のDigiCertは欧米を中心にサービスを展開しており、日本を含むアジア地域での展開には遅れをとっていた。サイバートラストと提携したことで、ほぼすべての主要地域をカバーできたことになる。