日本オラクルは2015年12月8日、製造業のグローバルサプライチェーンでの様々な要求に対応する「Oracle Supply Chain Management(SCM)Cloud」の最新版を発表した。販売から生産計画、製造、購買までのサプライチェーンを一元化した包括的なSCMのクラウドサービスを提供する。
「Oracle SCM Cloud」の最新版では、需給計画クラウドサービス「Planning Central Cloud」と、生産管理クラウドサービス「Manufacturing Cloud」の2つの新製品を追加した。併せて受注管理クラウドサービス「Order Management Cloud」など、そのほかの製品についての機能強化を図った。製品企画を支援するクラウドサービス「Innovation Management」と合わせて利用することで、サプライチェーンの主要なビジネスプロセス全体をクラウド環境で運用できるとしている。
Planning Central Cloudは、計画から生産までのプロセスを一貫した途切れのない適切なプロセスフローにするための需給計画アプリケーションだ。需要計画、在庫、供給計画を、直観的でわかりやすい画面を使って最新のアナリティクスワークベンチに統合できる。
需給計画状況を多次元分析フレームワークと組み合わせ、サプライチェーンで発生している複雑な問題を的確に表示する。計画担当者は、根本原因を突き止め、対応すべき事柄に優先順位を付け、適切な解決策を実行できるようになる。Planning CentralとほかのSCM Cloudアプリケーションとの統合により、計画のアウトプットに基づいた在庫移動や製造作業指示、購買活動を実施できるため、需給計画と実際のアクションとのギャップを削減可能になる。
Manufacturing Cloudは、生産業務の効率的な準備と実行を可能にする。正確な部品投入計画や製造工程手順を計算、作業指示書を発行して生産現場をモニタリングできる。作業進捗状況の遅れ、部品や工程の問題点の確認、製造コストの分析によるコスト抑制に利用可能だ。
生産活動には業界標準のデータモデルを使用し、エンジニアは最新のダッシュボードを使って、わかりやすく各製造プロセスを定義して実行できる。生産活動、品質管理から詳細なコスト管理まで、製品に関わる複数のプロセスを統合的に支援する。また、「PLM Cloud」および「Product Master Data Management Cloud」と統合されており、アイデアからコンセプト、設計、商品化、部品表、製造に至るまでの製品開発のプロセス全体を合理化できる。
Order Management Cloudは、受注生産、仕入先直送、受注紐付き発注、グループ企業間の在庫移動取引など、複雑なオーダーフルフィルメントの業務の流れを支援する。独自の組み込みのオーダーキャプチャー、価格設定、コンフィギュレーター機能も含んでいる。受注登録機能を備えているほか、「CPQ Cloud」や「Commerce Cloud」などのOracle Cloud製品、EDI(Electronic Data Interchange :電子商取引)、レガシーシステムなど、複数の受注元に対応しているため、様々な販売チャネルの注文を統合管理できる。
Planning Central、Cloud Manufacturing Cloud、Order Management Cloudと、ほかのSCM Cloudソリューションを組み合わせて導入することで、「Procurement Cloud」での直接材への対応、「Inventory Cloud」での複雑なフルフィルメント、在庫移動フローへの対応、「Cost Management Cloud」での標準原価計算など各機能を拡張できる。