ジャスミンソフトの主催により2015年12月2日、「Wagby Developer Day 2015」が東京・秋葉原で開催された。内製開発に興味を持つ企業が一堂に会する恒例イベントの今年のテーマは「日本型内製の最先端がここにある」。過去最多の参加登録者数を記録するなど熱気に包まれた会場では、国内トップクラスの導入実績を誇る超高速開発ツール「Wagby」の先進的な活用事例を中心に、18のセッションと懇親会が繰り広げられた。
システム開発を少ない人数で短期間、低コストに
──事例:TMJ
セッション「コンタクトセンター業務でのWagby活用事例」では、TMJ 事業推進本部 基盤構築部 AP開発課の清水利幸氏が登壇。同社における「Wagby」導入の経緯と、「Wagby」を活用した数々のシステム開発について語られた。
TMJは、事業会社であるベネッセのインハウスセンターが独立分社化する形で1992年に設立。コンタクトセンターの運営/人材派遣、企画・分析や、コンタクトセンター周辺業務のアウトソーシングサービス、バックオフィスのアウトソーシング(BPO)サービスなどを展開する。そんな同社でコンタクトセンター設備を構築する基盤構築部内に置かれ、業務に必要となるアプリケーションの開発、運用・改善の役割を担うのがAP開発課だ。
かつて同課は、TMJが抱える2つの課題に直面していた。1つは、特に小規模業務においてシステム費用が掛けられない場合があり、ミス発生や紙による運用といった非効率な状態が見られたこと、もう1つは、提案から業務立ち上げまでが短期間の案件が多く、開発スピードが求められていたことだ。そこでAP開発課では、少ない人数でシステム開発を効率よく回すことで、スピードアップとコスト削減につなげようと、「Wagby」の導入に至ったのである。
2012年7月、ソフトウェア・パートナーに「Wagby」を使った通販受付システムの開発を依頼。その後、同社から使い方についてのレクチャーを受けて、自社で開発できる体制を整えた。2013年6月に「Wagby」の開発者ライセンスを導入すると、まずバックオフィス業務向け進捗管理システムを開発した。
「これを皮切りに、これまでに社内で利用する様々なシステムを開発、適用してきている」と清水氏は語った。
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ここで講演者は事業推進本部 基盤構築部AP開発課の中村篤志氏へと交代し、「Wagby」を活用した3つのシステムの開発事例を披露した。その1つが、目標管理システムだ。以前、TMJでは、スーパーバイザー(オペレータ管理者)育成のための目標管理をExcelベースで行っていたが、目標の基準に差異があったり目標に対する実績の管理がうまく結び付いていなかったりといった問題があった。そこで、効率的な必須スキル習得、研修受講と、各拠点ごとに独自基準で運用されている目標管理を統一し一元管理することを目標に掲げ、「Wagby」で目標管理システムを開発することとなったのである。
こうして中村氏は、3つのシステムについて、構築の背景と概要、導入効果などを紹介すると、「Wagby」に関する全体的な感想をこう語った。「幅広いカスタマイズが可能なため、あらゆるターゲットに対して有効な対応がとれるのが「Wagby」の特徴の1つだ。ただし、最初からすべてを使いこなすにはコツが必要なので、ソフトウェア・パートナーに技術支援してもらったところ、学習ドリルを解くように開発者の習熟度が上がっていった」。
再び清水氏へとバトンタッチ。同氏もまた次のように総括した。「最終的なゴールは完全内製化にある。しかし最初から完全内製化を目指すというのはハードルが高いため、まず『Wagby』の代理店に開発を依頼し、成果物について技術トランスファーを受けたわけだが、このことが結果として『Wagby』の利用促進につながった。今では多くの案件で『Wagby』を使った開発を行っている」。
最後には今後の予定についても言及。他システム・サービスとの連携や、アジア拠点への対応、全社で使用する基幹系システムをはじめとする大規模システムへの適用といったように、「Wagby」活用を大幅に拡大していくという展望を示した。
●お問い合わせ先
株式会社ジャスミンソフト
http://www.jasminesoft.co.jp/
Wagbyについて
http://wagby.com/