米Adobeは2017年2月1日、テクニカルコンテンツ開発ツールキットの最新版である「Adobe Technical Communication Suite(2017 release)」を発表した。コンテンツ管理システム「Adobe Experience Manager」との連携などを強化している。
「Technical Communication Suite」では、ツール群を使用して、標準に準拠した多言語のコンテンツを作成・管理・パブリッシュできる。テクニカルライターや情報開発者、教育設計を行うインストラクショナルデザイナーは、利用者が使用するデバイスを問わず、ソーシャルメディアに対応したコンテンツを提供できるようになる。
主要コンポーネントのアップデートについては、モバイル、Web、デスクトップおよびプリント向けの多言語テクニカルコンテンツのオーサリングとパブリッシングに必要な機能を提供する、「Adobe FrameMaker」の最新版を提供する。HDディスプレイをサポートしたほか、新しいプロジェクトマネージャー、配列しなおしたメニュー、向上したXML/DITA(The Darwin Information Typing Architecture)およびダイナミックコンテンツパーソナライゼーション機能、スムーズに使えるマルチチャネルパブリッシング機能を用意している。
オーサリングおよびモバイルパブリッシング機能を提供する「Adobe RoboHelp」の最新版は、Responsive HTML5レイアウトによる直感的なナビゲーションの向上、コンテンツの動的なフィルタリングによるパーソナライズされたヘルプ表示、検索時のオートコンプリートなど、適切な情報の迅速な表示が可能だ。デバイスに依存しないパブリッシングを提供するため、iOSおよびAndroid用のコンテンツ指向モバイルアプリケーションなど、17種類の出力フォーマットもサポートした。
そのほか、「Adobe Captivate 9」「Adobe Presenter 11」および「Adobe Acrobat Pro DC」を含み、eラーニングとハウツーデモの作成、動的なビデオプレゼンテーション、PDF機能を統合している。
併せて、コンテンツ管理システム「Adobe Experience Manager」に基づいて開発された、DITAベースのテクニカルコンテンツのためのコンポーネントコンテンツ管理システム(CCMS)である、「XML Documentation Add-on for Adobe Experience Manager」のメジャーアップデートも発表した。Adobe FrameMaker(2017 release)とExperience Managerとの連携も強化した。
Technical Communication Suiteの価格は、22万4000円(アップグレード価格は9万2000円から)になる。FrameMakerとRoboHelpは単体製品としても提供し、それぞれ13万1500円(アップグレード価格は5万2500円から)。いずれの製品も年間サブスクリプション・メンバーシッププランで利用できる。
DITAは、技術情報をオーサリング・パブリッシングするためのXMLデータモデルである。