エクストリームデザインは2017年9月1日、パブリッククラウド上にスーパーコンピュータ環境を自動構築するサービス「XTREME DNA HPC Cloud」を強化したと発表した。新たに、Preferred Networks(PFN)の分散深層学習フレームワーク「ChainerMN」を導入するテンプレートを追加したと発表した。2017年10月から提供開始する。
XTREME DNA HPC Cloudは、Azureをインフラとして使う、スーパーコンピュータ環境の自動構築サービスである。AzureのGPUインスタンスを複数台使った分散並列計算環境を、短時間で自動構築するテンプレートを用意した。環境構築から運用、使用後のシステム消去までを無人化サービスとして提供する。
今回新たに、GPUインスタンスの分散並列環境テンプレートに、分散深層学習フレームワークのChainerMNを採用した。このテンプレートを使うことによって、大規模な分散深層学習に必要なインフラ周りの環境構築が不要になる。深層学習の研究者や開発者に対して、計算資源を必要なだけ素早く提供できるという。
なお、AzureのGPUインスタンスは、浮動小数点演算性能が高く、グラフィックス処理やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)などに向いたサーバー資源である。計算にGPUを利用するアプリケーションを高速に動作させられる。一方のChainerMNは深層学習のソフトウェアライブラリである。ChainerMNをAzure上のGPUクラスタ上で利用することで、高速に深層学習を利用できるようになる。