[インタビュー]

「AI専用機AIRIで顧客のデータイノベーションを加速させたい」─米ピュア・ストレージ幹部

米ピュア・ストレージ 製品部門バイスプレジデント マット・キックスモーラー氏

2018年8月9日(木)河原 潤(IT Leaders編集部)

米ピュア・ストレージ(Pure Storage)は、社名のとおり100%=オールフラッシュ搭載アレイのみを手がけ、更改コストを抑えながら常に最新のハードウェアに更新できる「Forever Flesh」プログラムなどで知られるストレージベンダーである。その同社が2018年4月にはAI/ディープラーニング専用機の「AIRI」を発表して話題を呼んだ。製品戦略を統括するマット・キックスモーラー(Matt Kixmoeller)氏に同社のビジョンを聞いた。

――多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指すようになり、情報システムで扱うアプリケーションワークロードが多様化しています。DXの潮流がストレージ技術・分野にもたらした影響は何でしょうか。

 DXと言ってもさまざまな側面があるが、中核になるのはやはりデータだ。データでよりよい世界を構築するため、オールフラッシュストレージ、オールフラッシュデータセンターへの信念に基づき、イノベーターに力を与えていくというのがピュア・ストレージのミッションステートメントである。

写真1:米ピュア・ストレージ 製品部門バイスプレジデントのマット・キックスモーラー氏

 データ戦略について、Cレベルのエグゼクティブたちが長い時間をかけて議論している。データはそれだけ重要な価値を持っている。データそのものに非常に大きなポテンシャルがあり、AI(人工知能)やディープラーニングがそのポテンシャルをさらに高めている。

 一方で、セキュリティ上の情報漏洩、セキュリティ侵害、顧客のプライバシー侵害が侵害されるリスクもある。そんな背景があるので、データ戦略、つまりデータをどのように活用するのか、リスクをどのように軽減していくのか、といった戦略をしっかり構築していくことが今日の企業にとって重要だと思う。

DXの潮流で変化を続けるITインフラ要件

――ここ1、2年、新しい製品シリーズが相次いでリリースされました。DXの時代になって、ユーザーが求めるインフラの要件が急速に変わってきているからでしょうか。

 オールフラッシュの信念は変わらないが、ニーズの変化に速やかに応えるべく製品の進化、拡張に努めている。かつて一部のアプリケーションにのみフラッシュストレージを使うことができた時代もあったが、DXの時代はすべてのデータ処理を高速に行う必要がある。そこで顧客からは、我々の製品をより大規模化してほしいという要望が増えてきた。加えて、さらなる高速化やコスト削減も継続的に続けてほしいという声も挙がっている。

 すべてのデータ処理をオールフラッシュでまかなうために、さまざまな非構造化データに対応することも重要だったので、2017年2月、並列アーキテクチャを採用し、スケールアウト型で大量の非構造化データを高速に扱える「FlashBlade」を世に出した。

 また、非常に大きな技術的進歩の1つに、ソフトウェアとローフラッシュの直接の通信を可能にしたNVMe(Non-Volatile Memory Express)規格がある。この規格に完全対応したのが同年8月にリリースした「FlashArray//X」(写真2)だ。

写真2:100% NVMe/PCIeを謳うFlashArray//Xの筐体内部。ピュア・ストレージによると同一のフラッシュ構成で50%のレイテンシ改善、5倍の密度、15~30%の実効容量増大を見込むという(出典:ピュア・ストレージ・ジャパン)
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――2018年4月には、FlashBladeとエヌビディア(NVIDIA)のディープラーニングマシン「DGX-1」を組み合わせた「AIRI(AI-Ready Infrastructure、アイリ)」(写真3)が発表されました。

 実は、FlashBladeの開発に着手したときに想定した用途はアナリティクスだった。アナリティクスで使うソフトウェアは並列アーキテクチャが重要なので、ふさわしい製品を作ろうと考え、完成したのがAIRIだ。FlashBladeをリリースした後、AIやマシンラーニング、ディープラーニングがものすごい勢いで伸びていって、我々はAIとFlashBladeの親和性の高さを確認した。しかも、FlashBladeをAIの用途で使い始める顧客も現れた。

写真3:DGX-1とFlashBladeを統合したAIRI。筐体デザインもこれまでのピュア・ストレージ製品とは趣が異なる(出典:ピュア・ストレージ・ジャパン)
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