市場調査会社のIDC Japanは2018年10月23日、国内の標的型攻撃対策市場について、2018年から2022年の予測を発表した。サンドボックスなどの標的型攻撃に特化した製品・サービスの市場は、2017年に前年比29.9%増の189億円となり、2017年から2022年の年間平均成長率(CAGR)は18.2%、2022年には約2.3倍の436億円に拡大すると予測している。
IDC Japanは、標的型攻撃対策の市場を、以下の3つに分類して市場規模を予測している。(1)サンドボックスのような、標的型攻撃に特化した製品・サービス、(2)SOCの基盤となる、セキュリティ情報とイベントを管理する製品・サービス(SIEM)、(3)脅威情報(インテリジェンス)を提供する製品・サービスである。
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(1)の標的型攻撃に特化した製品・サービスの市場は、2017年が前年比29.9%増の189億円。2017年から2022年の年間平均成長率は18.2%で、2022年に436億円に拡大する。同分野の製品を、エンドポイント製品とゲートウェイ製品に分類して規模を予測している。
「標的型攻撃に特化した製品・サービスは、高度化しているマルウェアを検知することに役立つ。高度化しているマルウェアの例として、例えば、身代金を要求するランサムウェアや、マルウェアの実行ファイルをストレージに保存することなくメモリー上だけで実行するファイルレスマルウェアなどがある」(同社)
(2)セキュリティ情報/イベント管理製品市場は、2017年が前年比5.3%増の52億円。2017年から2022年の年間平均成長率は6.6%で、2022年には約1.4倍の71億円に拡大する。
(3)脅威インテリジェンスサービスの市場は、2017年が前年比10.3%増の220億円。2017年から2022年の年間平均成長率は9.4%で、2022年には345億円に拡大する。
セキュリティ情報/イベント管理製品や、脅威インテリジェンスサービスは、侵入後のマルウェアの活動を検知して対処することで感染被害を最小限に抑えるのに役立つ。また、サンドボックスなどの脅威対策製品で検出した脅威情報を共有することで、その後の攻撃の防御に役立つ。
今回の発表は、IDC Japanが発行した『国内標的型サイバー攻撃対策ソリューション市場シェア、2017年:エンドポイントソリューションの発展』(JPJ43371918)と『国内標的型サイバー攻撃対策ソリューション市場予測、2018年~2022年』(JPJ43372018)で詳細を報告している。