[市場動向]

富士通、カナダにAIビジネスのグローバル拠点となる新会社「FUJITSU Intelligence Technology」を設立

2018年11月7日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

富士通は2018年11月6日、カナダのバンクーバーにAIビジネスにおけるグローバル拠点となる新会社「FUJITSU Intelligence Technology」を設立したことを発表した。日本を含む各地域で実施してきたAIビジネスの知見や商材を集約し、グローバルな商品・サービスとして各地で展開していく。

写真1:FUJITSU Intelligence TechnologyのCEOに就任した吉澤尚子氏

 新会社FUJITSU Intelligence Technologyは、カナダの西海岸、ブリティッシュコロンビア州のバンクーバーに本社を置く。資本金が富士通100%出資の600万カナダドル(約5億2000万円)、CEOには富士通 執行役員常務 AIサービス担当の吉澤尚子氏(写真1)が就任した。事業開始は11月1日。

 シリコンバレーなどがある米国ではなく隣のカナダを拠点に選んだ理由として、カナダ政府やブリティッシュコロンビア州がIT企業誘致に積極的なこと、ブリティッシュコロンビア大学やトロント大学などAIや量子分野に強みを持つ大学、研究機関が地域に多数存在すること、ITスタートアップ企業が多数起業していることなどを上げている。

 米国の現政権がIT企業や外国人技術者への風当たりを強めるなか、カナダ政府は米国に本社を置くIT企業や技術者を積極的に受け入れる姿勢を見せている。これを背景にカナダには多くの米国企業が進出しており、パートナーや顧客との連携が取りやすい。また、米国から流出した人材の受け皿となることで、優秀な技術者を確保できるという期待もある。

 シリコンバレーなどに比べ賃貸料や税金、人件費が安価で企業運営が行い易いという利点もあるうえ、マーケットとしては北米がAIビジネスの最大市場となっており、その足場として立地が良いことも上げられるなど、優れたビジネス環境にあるのがカナダなのだという。

AI事業のヘッドクオーターとして機能

 FUJITSU Intelligence Technologyは地域統括ではなく、AI事業のヘッドクオーターとして設置された。これまで各事業において日本拠点をヘッドクオーターとしてきた富士通が海外拠点をヘッドクオーターにするのは初となる(図1)。

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
関連キーワード

富士通 / 量子コンピュータ / カナダ

関連記事

トピックス

[Sponsored]

富士通、カナダにAIビジネスのグローバル拠点となる新会社「FUJITSU Intelligence Technology」を設立富士通は2018年11月6日、カナダのバンクーバーにAIビジネスにおけるグローバル拠点となる新会社「FUJITSU Intelligence Technology」を設立したことを発表した。日本を含む各地域で実施してきたAIビジネスの知見や商材を集約し、グローバルな商品・サービスとして各地で展開していく。

PAGE TOP