オープンストリームは2019年5月14日、Flash/Flexベースで構築した業務システムをリッチクライアント「Biz/Browser」へと移行するFlexコンバーターツールの無料提供を開始した。移行ツールを使うことで、操作性と見た目をほぼそのままに、移行コストを最大70%削減できるとしている。
オープンストリームは、Flash/Flexで構築した業務システムをBiz/Browserに移行するツールを提供する。Flash/Flexの画面を開発するXMLベースの言語であるMXMLを、Biz/Browserの画面を開発するCRSへとコンバートするツール「MXMLコンバーター」、Flex3 SDKのクラスをCRS上で再現するための互換クラスライブラリ「Flex3 SDK for CRS」、AMF(Action Message Format)通信ライブラリ、を提供する(図1)。
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画面定義については、MXMLコンバーターでアプリケーション画面の定義を移行する。Flexアプリケーションの外観と操作性を遜色なく再現できるとしている。画面定義の移行作業を90%以上削減できるとしている(図2)。
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クライアント側のアプリケーションロジックは、MXMLコンバーターでActionScriptからCRSスクリプトにコピーできる。あとは、Action ScriptとCRSスクリプトの文法差異部分を改修すればよい。Flex3の主要クラスとの互換ライブラリを用意しているため、追加の機能実装は最小限に抑えられるとしている。
サーバー側のアプリケーションと通信方式の変換は不要である。Biz/Browserは、Flexベースのシステムの多くがクライアントサーバー通信に用いるAMF通信を利用できる。このため、サーバー側アプリケーション資産をそのまま流用できる。通信フォーマットの変更などによるサーバー側アプリケーションの改修コストが発生しない。
オープンストリームでは、Flexコンバーターツールの無料提供に加えて、ユーザーのシステム以降を支援するサービスも無料で提供する。規模や予算にあわせて、PoC(概念検証)やBiz/Browserへの移行にあたっての実現方法の検討などを実施する。
システム移行作業の技術支援を希望するユーザーに対しては、有料で移行作業を実施する。画面の移行では、移行ツールでコンバートできなかった部分の移行作業を代行する。ロジックの移行では、ActionScriptをBiz/BrowserのCRSスクリプトへと移行する。
Flexコンバーターツールを提供する背景について同社は、Flash(Flex)のサポートが2020年末に終了することを挙げている。「Flexの開発元である米Adobe SystemsはHTML5への移行を推奨しているが、UIやクライアントサーバー通信の改修も発生し、全面的な改修となる。また、改修後の業務システムはWebブラウザベースとなるため、Webブラウザの種類やバージョンに合わせた開発運用コストが発生する」(同社)。