伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2019年5月31日、AI/ロボット事業を営む台湾のベンチャー企業、Intumitへ出資し、日本におけるIntumitのAIチャットボットについて協業を開始すると発表した。企業・自治体の訪日外国人向けサービスの拡充を支援する。
Intumitは、1999年の設立以降、AI/ロボットに関する事業を手がけ、台湾で500社を超える導入実績がある。独自開発のAIエンジンを使用したAI基盤「SmartRobot」は、音声認識・音声対話・自然言語分析・知識検索などの技術を統合したものだ。機能の1つであるAIチャットボットサービスは、台湾国内の銀行の顧客サポート向けチャットボット市場で80%のシェアを占めるという。
CTCは、Intumitへ出資するとともに、日本国内でのSmartRobotの取り扱いを開始した。地方銀行や地方自治体、旅客関連業などの顧客サポート業務を中心に、AIチャットボットサービスを展開する。SmartRobotは英語・日本語・中国語などの多言語に対応しているため、今後想定される訪日外国人向けサービスの拡充に活用できる。
CTCは、SmartRobotの導入や保守対応に加えて、既存のチャットシステムや企業内システムとの連携なども担う。オンプレミスのソフトウェアとSaaS型をラインアップし、3年間で30社への提供を目標にする。
今後は、Intumitと共同でのAIエンジンの開発も視野に協業を進め、ユーザーの顧客サービスや住民サービスなどの向上を支援するとしている。
なお、出資は、スタートアップ企業の支援やユーザーとの合弁事業を目的としたコーポレートベンチャーキャピタル「CTCイノベーションパートナーズ」から行われる。