[市場動向]

「AI間自動交渉プラットフォーム」のテストベッドをIICが承認─NEC、沖電気などが提案

2019年8月22日(木)IT Leaders編集部

NEC、独フラウンホーファー(Fraunhofer IOSB)、カブク、韓国のKETI(Korea Electronics Technology Institute)、沖電気工業、豊田通商および産業技術総合研究所(産総研)は2019年8月21日、AI間自動交渉プラットフォーム(Negotiation Automation Platform)が、インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)から承認されたと発表した。AI間の自動交渉の有用性を検証するためのテストベッド(検証環境)としてIICに提案し、承認された。

 AI間自動交渉プラットフォームは、取引条件や資源の割り当て、融通方法などを自動的に交渉し、双方の利害を調整できるようにする、AI間連携技術の有用性を検証するためのテストベッド。NEC、沖電気、豊田通商などが共同開発した「AI間連携基盤技術」がベースとなっている。

 AI間連携基盤技術は、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間技術」の研究開発項目。NEC、沖電気、豊田通商、東京農工大学、中央大学、東京大学、名古屋工業大学、産総研が共同で提案した同技術の研究開発が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2018年度の公募事業として採択されている。テーマは「AI間連携によるバリューチェーンの効率化・柔軟化」。

 今回承認されたテストベッドは、AI間連携基盤技術を活用して、製品製造の各工程や物流における会社間での交渉を、AIが自動で行えるかを検証できる。

 受発注を行う各企業に対して、AI間自動交渉プラットフォームを通じて交渉用のAIエージェントが提供される。AIエージェントは、業界標準化されたプロトコル、データ形式、語彙定義を用いて受発注両者が合意できる条件を検索する。発注側のAIと受注側のAIが取引条件の提示と受諾可否の回答を交互に行い、双方合意できる条件が発見できたらユーザーに最終判断を仰ぐという仕組みになっている。

図1:AI間自動交渉プラットフォームの仕組み(出典:NEC)
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 テストベッドを承認したIICは、2014年に米国で設立された産業分野向けIoTの推進団体。現在は200以上の企業・団体が参加している。今回、IICのメンバーであるNECが提案リーダーとなりIICに提案した。基盤技術を共同開発した沖電気、豊田通商、産総研に加え、IICメンバーであるカブク、フルンホーファー、KETIも参加している。さらに参加者を増やし、AI間で自動的に交渉するプラットフォームを国際標準化する活動を進めるとしている。

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