JAバンクは、グループ内部の照会応答システムに、クラウドAIサービス「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」の文書検索エンジンを導入した。JAバンクの会員である農林中央金庫を通じて導入した。MAGELLAN BLOCKSを提供するグルーヴノーツが2019年11月19日に発表した。
JAバンクは、県域や全国に約8000店舗を抱える民間の金融機関グループである。農業協同組合(JA)、信用農業協同組合連合会(信連)、農林中央金庫(農林中金)の3者で役割を分担して事業を運営している。
リテール業務の事務に関しては、年間で3万件以上の電話での問い合わせが、農林中金に寄せられている。農林中金は、これらの照会対応の効率化を図ることを目的に、人工知能(AI)を組み込んだ照会応答システムの構築プロジェクトを発足させた。
農林中金は、実際の業務情報を用いてAIの導入前検証を実施した。回答の正答率・カバー率や定額利用が可能なクラウドサービスの利点などを評価し、グルーヴノーツの文書検索エンジンを採用した。同エンジンの特徴は、言葉の特徴ではなく、文章全体の特徴をベクトル化すること。これにより、問い合わせに対して、意味的に近い文章を瞬時に見つけられるとしている(図1)。
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照会応答システムへのAIの導入によって、利用者は日常で使う自然な表現で質問を入力するだけで、自身の業務に必要な回答一覧や根拠となる関連文書をすばやく参照できるようになる。照会応答システムの稼働後も、新規文書の追加やFAQの更新・学習を重ねるとしている。利便性を高めることで、ユーザー自身による自己解決の促進を目指す。