ピュア・ストレージ・ジャパンは2020年3月24日、SAN接続型のオールフラッシュストレージ「FlashArray//Xシリーズ」を強化したと発表した。新たに、CPUを刷新した第3世代のコントローラを用意した。前世代のFlashArray//Xと比べて最大25%性能を向上させた。また、第3世代では上位モデルだけでなく//X10から//X90まで全5モデルでNVMe接続のフラッシュモジュールを使えるようにした。
ピュア・ストレージ・ジャパンの「FlashArray//Xシリーズ」は、SAN接続型のオールフラッシュストレージである。オールフラッシュ構成に特化したソフトウェアによって性能を追求している。フラッシュの特性を生かしたインライン重複排除機能とデータ圧縮機能も備える。スナップショットやレプリケーションといった機能も提供する。
今回、ストレージコントローラを、第2世代(R2)から第3世代(R3)へと刷新した(図1)。新しいIntel CPUを搭載しており、性能を前世代と比べて最大25%向上させた。SAP HANA OLAPのキャッシュ機能であるNSE(Native Storage Extension)の性能では、前世代と比べて最大50%向上したとしている。
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また、第3世代では、上位モデルだけでなく、「//X10」から「//X90」まで全5モデルでNVMe接続のフラッシュモジュールを使えるようにした。前世代までは、下位モデル(「//X10」と「//X20」)はSAS接続のフラッシュモジュールしか使えなかった。これを改め、モデル全体を通じて、高速にアクセスできるNVMe接続モジュールを使えるようにした。
コントローラやフラッシュモジュールの交換が容易
なお、FlashArray//Xシリーズの特徴の1つは、コントローラの交換やフラッシュモジュールの交換を容易にしていることである。Intel CPUを積んだPCサーバーのコントローラと、NANDフラッシュモジュールを搭載するためのストレージシェルフで構成する。これらを、ストレージを止めることなく、簡単な操作で交換できる。
データ格納用のフラッシュモジュールは、米Pure Storageが自前で設計し、容量効率を高めている。通常であれば個々のフラッシュモジュール側で管理している余剰領域(オーバープロビジョニング領域)を無くし、OSソフトウェア側で一定の余剰領域(20%)を確保した。RAIDのパリティ領域を合わせて差し引いても、フラッシュチップの全容量の約60%をデータ領域として使えるようにしている(図2)。
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キャッシュを使ってストレージの読み書きを高速化している点も特徴である。標準でライト(書き込み)キャッシュ用途のNVRAMを搭載しているほか、リード(読み出し)キャッシュ用途としてインテルのOptane搭載NVMe接続モジュールを用意している。このモジュールをデータ格納用のフラッシュモジュールの代わりに4枚(キャッシュ容量3TB)または8枚(キャッシュ容量6TB)搭載できる。
コントローラを無料でアップグレードできるサポートプログラム「Evergreen Storage」(旧称は「Forever Flash」)も特徴である。初期購入費用を削減する「Free Every Three」(保守費用を払っている間は3年おきに無料で最新のコントローラに交換する)プログラムなどを利用できる。