電通国際情報サービス(ISID)は2020年4月23日、「技術文書活用」「図面識別」「AIモデル開発自動化」の3領域でAI製品を自社開発し、提供すると発表した。同年5月に提供開始する。販売目標として、3製品合わせて3年間で100社以上を掲げる。
電通国際情報サービスは、AIを搭載した3つの製品を開発した。技術文書活用をAIが支援する「TexAIntelligence(テクサインテリジェンス)」、図面の記載内容の識別・チェックをAIで効率化する「DiCA(ディーカ)」、AIモデルの開発・運用を自動化する「OpTApf(オプタピーエフ)」である。
3製品はいずれも、ISIDが顧客企業と推進してきたAIプロジェクトで得た知見と技術ノウハウを生かし、独自に開発したものである。クラウドサービス基盤としてAzureを利用している。
TexAIntelligenceは、製造業に向けて、技術文書の活用を支援する製品である。社内に蓄積した大量の技術文書を、AIが学習して蓄積する。文書の分類・要約・検索など、従来は専門家が時間をかけて行っていた作業を、AIが高速・正確に行う。価格(税別、以下同)は、月額70万円から(クラウド環境利用料は含まず)。
DiCAは、製造業に向けて、設計・生産技術部門などの図面チェック業務を支援する製品である。紙図面上に記載した各種数値・文字列や特殊記号を、AIが識別してデータ化する。設計出図情報の最終確認、製造要件の確認や紙図面の電子化など、人手で行っていた作業を削減できる。価格は、月額50万円から。
OpTApfは、全業種に向けて、AIモデルの開発・運用を支援する製品である。Azure上で利用できるマシンラーニング(機械学習)サービスであるAzure Machine Learningを使って、数千種類のAIモデルを3ステップだけで開発できる仕組みを提供する。AIの専門知識を必要とすることなくAIモデルを構築・運用できるとしている。価格は、月額40万円から(クラウド環境利用料は含まず)。
なお、ISIDは、2016年に設置したAI専任組織を中核に、製造業の設計開発など各種の領域でAIサービスの開発や適用支援を行ってきた。これまでに、時系列データを利用した動作予測や予兆検知サービスなど、100を超えるAIプロジェクトの推進実績を持っている。
3製品を提供する背景について同社は、多くの企業がAIを活用した事業創出や業務革新を本格化させている状況を挙げる。「自社固有の技術やノウハウの活用にAIを応用したり、自社内にAIシステムの開発体制を構築したりするケースも増えており、より早く的確にAIで現場業務を変革したいとのニーズが高まっている」(同社)。