[事例ニュース]
三井住友FG、ソフトウェアの修正案をAIが自動で推奨する技術を検証、修正案の98.7%は妥当
2020年6月30日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
三井住友フィナンシャルグループと、グループ会社のSIベンダーである日興システムソリューションズ(NKSOL)は2020年6月30日、ソフトウェアの修正案をAIが自動で推奨する技術の有効性を実証実験で確認したと発表した。今後、同技術をグループ内のシステム開発に展開する。AIが推奨した修正案の98.7%は妥当であり、バグの修正時間を最大で30%削減できるとしている。
三井住友フィナンシャルグループは、ソフトウェアの修正案をAIが自動で推奨する技術を、グループ内のシステム開発に適用する。ソースコードの静的解析ツールで検出したソフトウェアのバグについて修正案を自動で作成し、開発者に提示する技術である。
検証では、NKSOLが開発している金融リスク管理ソフトウェアを対象に、同技術を用いた。この結果、AIが推奨した修正案の98.7%は妥当だった。修正案を活用することで、バグの修正時間が手作業と比べて最大30%減ることを確認した。NKSOLは今後、本技術の本格導入を検討する。
なお、同技術は、米国富士通研究所(Fujitsu Laboratories of America)と富士通研究所が開発したものである(関連記事:ソフトウェアの修正案をAIが自動推奨、三井住友銀行の金融取引システムでは修正時間を30%削減)。
仕組みは、様々なソフトウェアの開発履歴データから、潜在バグの修正パターンをAIがあらかじめ学習しておく、というもの。開発中のソフトウェアの潜在バグと突き合わせることで、最適な修正案を自動で生成する。