[市場動向]

大日本印刷、抗菌・抗ウイルス効果のある非接触ICカードを開発

2020年10月14日(水)IT Leaders編集部

大日本印刷(DNP)は2020年10月13日、抗菌・抗ウイルスの性能を備えた「非接触ICカード」を開発したと発表した。生活者の高まる衛生意識と「新しい生活様式」への対応を支援する。電子マネーや社員証・入館証など向けに、2020年10月から提供する。価格は個別見積もりで、抗菌・抗ウイルス性能を持たないカードと比較して5~10%増を目処に販売する。販売目標は、2023年度までに関連サービスも含めて6億円。

 大日本印刷(DNP)は、2000年代から抗菌仕様のプラスチックカードを提供している。キャッシュカードやクレジットカードなど金融業界を中心に採用がある。今回、従来の抗菌性能に加えて、抗ウイルス性能を兼ね備えた非接触ICカードを開発した(写真1)。社員証や入館証を利用する従業員や施設利用者などの安全も支援する。

写真1:抗菌・抗ウイルス効果のある非接触ICカードのデザインサンプル(出典:大日本印刷)写真1:抗菌・抗ウイルス効果のある非接触ICカードのデザインサンプル(出典:大日本印刷)

 神奈川県立産業技術総合研究所による「ISO 21702」に準拠した分析・評価の結果、抗ウイルス効果を確認したとしている。カード表面に付着するウイルスの数を減らすことにより、人の手に付着するウイルスを低減できる。抗ウイルス剤をカードの両面にコーティング(塗工)しているため、頻繁な利用などによってカード表面が傷ついたりした場合でも、抗ウイルス性能を維持したまま利用できる。

 従来の抗菌性能も備えており、衛生管理が求められる医療機関や福祉施設、食品関連の施設、教育機関などでも利用できる。抗菌性能はJIS Z 2801(抗菌仕様に関するJIS規格)に準拠し、カード表面の大腸菌と黄色ブドウ球菌の繁殖率を1%以下に抑える効果を持っている。

 2021年春には、キャッシュカードやクレジットカードなど金融機関で利用する接触ICカードや磁気ストライプ付きカード、接触・非接触の両インターフェースを持つデュアルインターフェースカードにも、抗ウイルス性能を付与して提供する。

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