[市場動向]

レノボ、多台数PCの短期導入需要に応えるゼロタッチデプロイメントを強化

UCCホールディングスや多摩大学など、コロナ禍の中でITインフラ刷新を行ったユーザーを紹介

2021年3月11日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズは2021年3月10日、説明会を開き、サービス事業を強化する施策について明らかにした。サーバー/ストレージを導入する前の計画と準備、導入の展開、導入後の運用を支援する。同年2月には、設定済みの状態でPCやサーバーを導入するゼロタッチデプロイメントを支援する物理拠点として、レノボジャパンCFS(カスタマーフルフィルメントサービス)をNECパーソナルコンピュータの群馬事業場内に開設している。

 レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズは、ハードウェアの販売に加えて、ハードウェアの導入と運用を支援するサービス事業を営んでいる。PCやサーバー/ストレージの導入計画をコンサルティングするほか、工場出荷時の設定をユーザーの要望に合わせて整備するサービスや、導入後のエンドポイントのセキュリティやソフトウェアスタックを管理するサービスなど、各種のサービスを提供している。

 同社によると、近年、売上全体に占めるサービスの売上が伸びている。2020年度第3四半期のサービスの売上は前年同期比で35%成長しており、売上全体の8%を占めている。ターゲットとして、今後1年で同社ビジネス全体の15%を占めるようになるとしている。サービス事業への注力はグローバル全体の指針で、新たにSSG(ソリューション&サービスグループ)という組織が立ち上がっている。

設定済みで出荷するゼロタッチデプロイメントに注力

 レノボが特に注力するのが、現場にPCやサーバーを設置するだけで、現地でのソフトウェアのインストールや設定作業を省略して直ちに利用を始められるようにする「ゼロタッチデプロイメント」である。

 ゼロタッチデプロイメントは、マイクロソフトが提供しているソフトウェア配布機能の「Windows Autopilot」と、工場出荷時のソフトウェアインストール/設定を併用して提供する。ユーザー側でのソフトウェアのダウンロード作業を軽減しつつ、機材到着後にすばやく利用を始められるようにする。

 ゼロタッチデプロイメントのユーザー事例の1社として、UCCホールディングスを紹介した(図1)。同社は2020年にWindows 7からWindows 10への移行とOffice 365の導入を実施。コロナ禍でのリモート展開プロジェクトだったが、2000台のクライアントPCを3カ月で入れ替えることができた。

図1:UCCホールディングスがPC×2000台を入れ替えた事例の概要(出典:レノボ・ジャパン)図1:UCCホールディングスがPC×2000台を入れ替えた事例の概要(出典:レノボ・ジャパン)
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 UCCホールディングスは当初、標準のWindows Autopilotだけで展開する予定だった。レノボがコンサルティングに入り、Windows Autopilotだけで実施するのではなく、ある程度のソフトウェアのインストールや設定をレノボ側で実施することにした。これによって導入工数をを減らしている。

 レノボは、2021年2月にゼロタッチデプロイメントを支援する物理拠点として、レノボジャパンCFS(カスタマーフルフィルメントサービス)をNECパーソナルコンピュータの群馬事業場内に開設した(図2)。今後、世界11カ所に展開予定である。ユーザーの要望に応じてタグ付けや物理キッティングなどにも応える。

図2:ゼロタッチデプロイメントを支援する物理拠点であるレノボジャパンCFS(カスタマーフルフィルメントサービス)の概要(出典:レノボ・ジャパン)図2:ゼロタッチデプロイメントを支援する物理拠点であるレノボジャパンCFS(カスタマーフルフィルメントサービス)の概要(出典:レノボ・ジャパン)
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●Next:サーバー/ストレージを導入したユーザー3社の事例を紹介

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