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ウイングアーク1st、Excelなど業務現場のデータを収集・加工・可視化する「Dataring」

2021年10月11日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ウイングアーク1stは2021年10月11日、データ分析基盤「Dataring(データリング)」の提供を開始した。業務の現場で発生するデータを集約・蓄積して経営判断に役立てられるようにする、データ分析のための基盤ミドルウェア群を、クラウドサービスの形態で提供する。データプレパレーション(整備)、データベース、データ可視化ダッシュボード、の3つの要素で構成する。価格(税別)は、最小構成となるデータプレパレーション、データベース、ダッシュボードのセットで月額31万円から。

 ウイングアーク1stの「Dataring」は、業務の現場で発生するデータを集約・蓄積して経営判断に役立てられるようにする、データ分析のための基盤ミドルウェア群である。Excelデータのような、業務システムでは集約し切れないデータを集約できる。これらのデータを収集して変換/加工することによって、ダッシュボードやグラフなどで用途に合わせて閲覧できるようにする。クラウドサービスの形態で提供する(図1)。

図1:データ分析基盤ソフトウェア「Dataring」の概要(出典:ウイングアーク1st)図1:データ分析基盤ソフトウェア「Dataring」の概要(出典:ウイングアーク1st)
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 これまで業務システムでは取得できていなかった間口の広い業務データを集めることで、情報の粒度が細かく鮮度が高い「現場業務で利用する中間データ」が入手できる。これにより、これまで見えていなかった状態や課題、ギャップを捉えられる。経営者が提示する経営指標と現場がコントロールするKPIが連動しているかどうかが分かる。

 製品提供の背景について同社は、組織の階層が多いほど、報告書のリレーによって各指標の連鎖が断ち切られてしまう問題を挙げる。「また、上の階層に行くほど情報がサマリー化されてしまい、データ分析の解像度を上げられなくなる。例えば、経営者は、現場から上がってくる報告『不良率20%削減』が、経営にどの程度インパクトがあるかが瞬時に分からない」(同社)。

データ整備/データベース/BIツールで構成

 Dataringは、「Dataringプレパレーション」「Dataringデータベース」「Dataringビジュアライゼーション」の3機能(ソフトウェア)で構成する。

 「Dataringプレパレーション」は、これまでの業務システムでは取得が難しい中間データ(鮮度が高く、粒度の細かいデータ)を、業務オペレーションを変えることなく直接収集できるシステムを提供する。初回にデータの抽出方法を加工方法を定義しておけば、Excel/PDF/部門データベースなどのデータを自動で収集できるようになる。

 Dataringプレパレーションの価格は、データ収集・加工の中核機能を提供するツール「フレームワーク」が月額10万円から。オプションの「文書管理ストレージ」が月額6万円から。文書管理ストレージは、電子ファイルを保管して証跡を管理できる。AI-OCR機能も搭載しており、活字・手書き文字をデータ化して取り込める。

 「Dataringデータベース」は、Dataringプレパレーションで収集した業務データを、分析に適した形で蓄積するデータベース管理システムである。一元的・時系列にデータを蓄積する。今後は、データベースに蓄積したデータに対して、マシンラーニング(機械学習)による予測機能や自動分類機能を実装する予定である。Dataringデータベースの価格は、月額15万円から。

 「Dataringビジュアライゼーション」は、Dataringデータベースに蓄積したデータを可視化、分析、共有するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールである。業務に合わせたテンプレートも提供する。

 Dataringビジュアライゼーションの価格は、中核機能で蓄積したデータを可視化・分析・共有するBIツール「ダッシュボード」が、月額6万円から。オプションで、業務に応じた可視化・分析テンプレート「テンプレート」を提供する。テンプレートの価格は要問い合わせ。

 加えて、ウイングアーク1stは、データ分析を推進するSIサービス「データプレパレーションサービス」を提供する。SIサービスでは、データに関する業務課題の整理、加工・変換などのデータ管理や運用のルール化、データパイプラインの構築から分析・可視化までを支援する。

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