早稲田大学電子政府・自治体研究所は2021年12月10日、「第16回早稲田大学世界デジタル政府ランキング2021」を発表した。IT先進国64カ国・地域を対象に、デジタル政府の進捗度を主要10指標で評価した調査である。2021年度版の調査結果は、上位から1位:デンマーク、2位:シンガポール、3位:英国、4位:米国、5位:カナダである。日本は前回の7位から2つランクを落として9位になった。
早稲田大学電子政府・自治体研究所が「第16回早稲田大学世界デジタル政府ランキング2021」を発表した(関連記事:IMD世界競争力ランキング2022、デンマークが北欧初の首位、日本は3つ下げて34位に)。
同ランキングは、IT先進国64カ国・地域のデジタル政府の進捗度を、主要10指標で多角的に評価する調査に基づくもの。16回目となった2021年度のランキング結果は、上位から1位:デンマーク、2位:シンガポール、3位:英国、4位:米国、5位:カナダとなった。日本は前回の7位から2つランクを落として9位になった(表1)。
ベンチマークの10指標は、「デジタル・インフラ整備」「行財政最適化」、「アプリケーション」「ポータルサイト」「CIO(最高情報責任者)」「戦略・振興」「市民参加」「オープン政府」「セキュリティ」「先端技術」である。
報告書には、調査対象国・地域のスコア、トップ25位までの各国の特徴、10指標別ランキング、欧州、アジアなど地域別、OECDなど国際機関別のランキング、主要15カ国のデジタル庁の特徴、「コロナ」「DX」「個人情報保護」「スマートシティ」「SDGs」など世界10大新潮流のハイライト、日本への20項目の提言がまとまっている。
研究所は、日本の課題と構造的弱点を4つ挙げている。
- コロナ対応で露呈した官庁の縦割り行政、DX(デジタル変革)やスピード感の欠如
- 電子政府(中央)と電子自治体(地方)の法的分離
- 地方公共団体の財政・デジタル格差
- デジタル政府・自治体の推進役となるIT人材不足
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