長期化するコロナ禍で、我々の生活様式も随分と変わった。リモートワークが常態化し、ECやコンテンツサービスがこの2年で大きく売上げを伸ばす中で、気づけば食材の宅配サービスもたくさん登場している。食事の支度をする機会が増えたので試してみた。
コロナで増えた賄い生活
新型コロナウイルスの感染拡大は、いろいろな社会現象を引き起こした。とりわけ非対面・非接触という人間社会の活動に逆行するような制限が最も厳しく、著しい変化ではないかと思う。面談や会食は言うに及ばず、出社さえ制限することになって在宅勤務が広がった。筆者自身、出社するのは郵便物の処理や請求・支払い処理くらいで、日常業務はほとんどメール、SNS、ZoomなどのWeb会議システムで済ませている。
夫婦ともども働いている我が家では、エッセンシャルワーカーではない筆者が食事の支度をする頻度が増えた。通常のペースだと週に4回ほど夕食の支度をし、ついでに朝食のサラダなども用意する。もともと料理が嫌いではないので苦にはならないが、週4回となるとメニューを考えるようになる。1週間の食材(野菜、魚、肉、加工食材など)のバランスを考えて、偏りがないようにしなければならないからだ。
おおむね筆者が食べたいものをメインに、主食と主菜、副菜2~3品、汁物を作るのだが、頭の中に出来上がりのイメージを作り、食材の調達に出かけることになる。以前にも「料理から学ぶソフトウェア開発の極意」というコラムを書いたことがある。実は食材の調達も楽しい。ソフトウェア開発のクリエイティビティに通ずるものがある。
食材のほとんどは近くのスーパーマーケット3店舗で調達するが、2駅先には充実した商店街があり、精肉や鮮魚などは運動も兼ねて商店街まで30分ほど歩いて買いに行く。調理をする時間より食材調達に費やす時間の方がはるかに多い。
急成長する食材宅配ビジネス
頻繁に料理するようになって、食材の宅配サービスがたくさんあることに改めて気づいた。調べてみると、いわゆるコープ(生協)系と民間ビジネス系がありシステムもさまざまである。新規会員を募集するために格安の試供サービスがあって、食材をパッケージにして送ってくれる。何事も体験しないとわからないので、コープ系と民間ビジネス系の2社から試供サービス品を取り寄せてみた(画面1)。
コープ系は配送車をよく見かける会社で、直接配送してくれた。民間ビジネス系は配送会社が届けてくれた。食材はどちらも似たり寄ったりだが、充実度は民間系に軍配があがる。試供品とともに総合カタログや入会の案内パンフレットが同梱されていた。クーポンやら期間限定サービスやら、さまざまな入会時のサービスも用意されている。
試供品が届いてから1週間以内の入会には特別なサービスまである。いずれもクレジット払いで決済できるから、スマホのアプリで発注から支払いまで完結できる。いつ退会してもペナルティはない。これらはとても重要な要素だと思う。会員として獲得しないとビジネスにならないから当然だが、試供品が届いた後からの勧誘が凄まじい。コープ系は電話攻勢、民間系はネット攻勢だ。結果として入会金や年会費や手数料などがない民間系の食材宅配の会員になってみた。
●Next:実際に食材宅配サービスを利用してわかったこと
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