NECは2022年2月25日、商品棚在庫可視化アプリケーション「NEC 棚定点観測サービス」を、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売業に向けてSaaSで提供開始した。カメラ映像からリアルタイムに商品棚の在庫量を可視化する。商品の補充や前出しが必要な棚の情報を、従業員に提供する。先行事例として、東急ストアが2022年6月から導入する。価格(税別)は初期費用が7万4800円(カメラ込み)、運用費用がカメラあたり月額3980円。販売目標として2023年度末までに1000契約を掲げる。
NEC 棚定点観測サービスは、カメラ映像からリアルタイムに商品棚の在庫量を可視化するサービスである。スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売業に向けて提供する。商品の補充や前出しが必要な棚が分かるので、販売機会を失わずに済む。事前学習用に商品棚の画像を1枚登録するだけで利用を始められる。利用開始後は、リアルタイムに自動で商品棚の在庫量を可視化する(画面1)。
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カメラ機材も含めて、サービス一式を映像クラウドサービスとして提供する。ネットワーク接続型のカメラであるため、複雑な工事は不要である。カメラ映像はクラウドに保存するため、本部や店舗外からも状況を把握できる。サービスの価格(税別)は、初期費用が7万4800円(カメラ込み)、運用費用がカメラあたり月額3980円。
スマートフォンで稼働する専用のモバイルアプリで在庫状況を確認できる。モバイルアプリ上では、店内カメラで撮影した画像から商品棚部分だけを抽出して歪みを補正した画像を見られる。商品補充が必要な商品棚を優先的に表示したり通知したりする運用も可能である。手書きメモ機能を使って作業指示も出せる。カメラ画像から人物を消去する機能も搭載している。人の映り込みを消去することで、商品棚の状態を安定して確認可能であるほか、プライバシーに配慮してカメラ映像を管理可能である。
製品提供の背景としてNECは、実店舗においては、商品棚の状況を把握する「売場チェック」と、商品を補充する「品出し」の作業が必要であり、従業員による売り場とバックヤードの行き来が多く業務負荷となっていることを挙げる。まずは、商品棚の現在状況を可視化する「売り場チェック機能」の提供を開始した。今後、品出しを必要とする棚を知らせる「品出しアラート機能」などの機能強化を進める。