パーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)は2020年4月19日、総合人材サービスを営むパーソルグループの業務にRPAを導入、2020年4月からの2年間で20万時間を超える業務を自動化したと発表した。育成したRPAエンジニアによる新規事業の立ち上げにも成功した。社員270人はRPAのトレーニングを受講してキャリアアップにつながったという。
パーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)は、総合人材サービスを営むパーソルグループの業務にRPAを導入した。RPAプロジェクトを開始した2020年4月からの2年間で、20万時間を超える業務を自動化した。育成したRPAエンジニアによる新規事業の立ち上げにも成功した。社員270人はRPAのトレーニングを受講してキャリアアップにつながったという(図1)。
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同グループのRPAプロジェクトは、2020年4月から2023年3月までの3カ年計画である。自動化でグループ内の業務を50万時間減らすこと、RPA人材を1000人育成すること、RPAを25社以上に導入すること、自動化を活用した新規事業を拡大することを目標に掲げている。
グループ内の各社にデジタル化の推進を呼びかけ、取り組みに賛同した会社とともにビジネス領域を拡大する目標を設定。それぞれが抱えるRPAの課題やビジネス特性に合わせた体制を構築し、社員へのRPAトレーニングの実施から業務改善、保守、新規ロボット開発などを支援する。さらに、その後の運用定着化までを支援し、各社のデジタル化を進める。
同社は、顧客に対するRPAの導入支援や人材育成で得たノウハウをまとめたガイド『パーソルのRfE(すべての従業員がロボットを利用または設計・開発し、ロボットを活用することを目的とする概念)ガイド』を開発済みである。これを自社でのRPAプロジェクトにも活用している。
研修は、RPAツール「UiPath」のトレーニングメニューを活用した集合研修から、個別の開発支援、終了後のサポートにいたるまで、伴走型の研修を提供する。個別開発支援では、受講者自身の業務を題材とし、1人ひとりのレベルに合わせた寄り添い型のトレーニングや1on1トレーニングなどを提供する。
人材育成の事例として、コンタクトセンターの業務効率化を担当する社員が、約1カ月間の研修期間でRPAの開発を学び、半年間サポートを受けてロボットを3個作成した。メールの作成や配信、電話をかけるためのリスト作成、外部ツールからのデータダウンロード、日報へのデータ反映などを自動化し、月間55時間分の業務を削減した。顧客の業務については、年間約1152時間を削減した。
パーソルP&Tは今後、自社のRPAプロジェクトのノウハウをパッケージ化し、サービスとして販売する予定である。