NTTとNTTデータは2022年5月9日、NTTグループの海外事業を統合すると発表した。2022年10月に、NTTデータ55%、NTT45%の共同出資で海外事業会社を設立し、NTTデータとNTT Ltd.が行ってきた海外事業をNTTデータ傘下に集約する。また、2023年7月には国内事業会社を設立し、NTTデータの持株会社の傘下に国内事業会社と海外事業会社を配置する事業運営体制に移行する。
NTTとNTTデータは、NTTグループの海外事業を統合する。2022年10月に、NTTデータ55%、NTT45%の共同出資によって海外事業会社を設立し、NTTデータとNTT Ltd.が行ってきた海外事業をNTTデータ傘下に集約する(図1)。共同出資とすることで、NTTデータとNTTの連携を進める。
NTTデータが提供しているアプリケーション開発事業と、NTT Ltd.が得意とするインフラ事業(データセンター/ネットワーク/マネージドサービス)を組み合わせることで、システム要素をトータルで提供できるようになる。また、グローバル人材の結集によって、海外各地域における事業特性やユーザー特性に合わせた迅速な意思決定を実現する。
なお、NTTは、2018年に海外事業を統括する中間持株会社としてNTT, Inc.を設立。2019年にはNTTコミュニケーションズグループ、Dimension Dataグループ(当時)、NTTセキュリティグループ(当時)の各海外事業をNTT Ltd.グループとして再編成した。現在、NTTデータグループとNTT Ltd.グループを合わせた海外事業の売上高は約2兆円である。今回、NTT, Inc.とNTT Ltd.をNTTデータ傘下に移管し、海外事業を統合する(関連記事:NTTグループが組織再編を発表、グローバル持株会社「NTT株式会社」を2018年秋に設立へ)。
2023年7月には、NTTデータの国内事業会社も設立し、NTTデータの持株会社と分割する(図2)。NTTデータの持株会社の傘下に国内事業会社と海外事業会社を配置する事業運営体制に移行する。
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また、NTTは、市場買付により、6000万株または1000億円を上限としてNTTデータ株式を取得する計画である。発行済み株式の2%後半に相当し、これによりNTTの持株比率は現在の54%から56~57%程度となる。これによりNTTは、NTTデータとの連携を深めるとしている。