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ABBYYジャパン、ノーコードOCR基盤「Vantage」を提供、学習済みのOCR定義や連携コネクタを用意

2022年7月21日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ABBYYジャパンは2022年7月21日、ノーコードOCR開発ツール「Vantage」を発表した。本人確認書類の読み取りなど用途ごとに用意したスキル(学習済みのOCR定義)を選ぶだけで、OCR処理システムをノーコードで構築可能。RPAツールやCRMなどの外部システムと連携するためのコネクタも各種用意した。同年5月から提供している。価格は処理枚数などに応じて変わり、個別見積もり。

 ABBYYジャパンの「Vantage」は、OCR(光学文字認識)を活用して文書をテキストデータ化するシステムをノーコードで開発可能な基盤ソフトウェアである(図1)。本人確認書類や請求書など、OCRで読み取りたい対象ごとにOCR定義を学習済みであり、これらの中から所望のOCR定義を選ぶだけでOCR処理を実現できる。

図1:ノーコードOCRアプリケーション基盤「Vantage」の概要。「スキル」(読み取り対象に合わせて学習済みのOCR定義)を選ぶだけでOCR処理を実現可能(出典:ABBYYジャパン)
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 RPAやCRMなどの外部システムと連携するためのコネクタも各種用意している。これにより、OCRエンジンを中核としたOCR処理業務を自動化しやすくしている。例えば、データをアップロードして、OCRでテキストデータ化して、CRMシステムにデータを登録する、といった一連の業務の流れを自動化可能である。

 学習済みのOCR定義のことを同社は「スキル」と呼ぶ。スキルは、外部連携コネクタを合わせて100種類以上あり、今後も増やす予定。スキルを検索して入手するための専用のマーケットプレイスも用意した。マーケットプレイスを通じてABBYYジャパンや他社が作成したスキルを入手できるほか、自社で開発したスキルをマーケットプレイスを通じて流通させられる。

 同社はこれまで、開発者向けに、OCRエンジンやSDK(ソフトウェア開発キット)を提供してきた。愛発者は、これらを使ってOCRアプリケーションを開発していた。これに対して、今回のVantageを使うと、コーディングが不要で、現場のエンドユーザーみずからOCRアプリケーションを作成して運用できるようになる。

 読み取り対象ごとに用意しているスキルの例は、図2の通り。

図2:選択可能な「スキル」(読み取り対象に合わせて学習済みのOCR定義)の例(出典:ABBYYジャパン)
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