[オピニオン from CIO賢人倶楽部]

「組織」におけるNo.2ポジションの重要性

CIO Lounge 理事長 矢島孝應氏

2022年10月14日(金)CIO賢人倶楽部

「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、特定非営利活動法人CIO Lounge 理事長 矢島孝應氏によるオピニオンである。

 日本で大を成した企業には、卓越した素晴らしい経営者と同時に「番頭さん」や「大番頭」と呼ばれる方がおられました。現在では企業組織は体系化され、副社長や専務、常務といった役員が形式上も含めて、配置されています。しかしそれらの方々が実質的に「番頭さん」の役割を果たしていない企業もあります。具体的な企業名は差し控えますが、「ワンマン経営」とも呼ばれる企業です。

 そうした企業は、短期的には成長を果たしているように見えても、いずれ行き詰まり、破たんするケースが少なくありません。それはなぜなのか?私は40年を超えた企業における経験の中で、強い組織、成長する組織を作るのは、番頭であるNo.2ポジションが非常に重要であることに気づかされました。おそらく企業だけではなく、企業内の個々の組織や官公庁、団体などにおいても、それは同じであると考えます。

「番頭」「No.2」は持続的な成長の鍵

 「番頭」という言葉を調べてみると、元々は武家において、指揮官で一番位の高い人を指し、その後商家においては、商家使用人の中での最高の位にあるものを示すと書かれています。私が言う「番頭さん」はそうではなく、経営者を支えている存在を示します。1つだけ例示すると、松下幸之助氏という経営者には高橋荒太郎氏という「番頭さん」がおり、松下電器産業(現パナソニック)の経営を支えていました。

 今日、通常の会社であればトップは代表取締役社長であり、No.2は副社長です。部では部長がトップでNo.2は副部長か次長、またはその下部組織の課長ですし、課なら課長がトップで課長補佐か係長か主任でしょう。こうした、いわゆる組織表に掲載されている組織に限りません。プロジェクトには責任者がおり、No.2の位置づけの人がいます。人が集まって何かを行う場合には、自然にトップとNo.2のポジションの人が存在します。

 成長し続ける強い組織において「No.2」が重要である理由は2つあります。1つは「トップの補佐役だけでなく、お目付け役としての役割が必要」であること。トップは有能であっても決して万能ではなく、判断に間違いがあれば誰かが「NO!」または「ダメです!」と言わなければなりません。この機能は通常の企業組織であれば「取締役会」や「監査役」が果たしているはずです。つまりアクセルとブレーキですが、それが機能せずに躓いている企業が見受けられるのは、ご存じのとおりです。さらに言えば、部や課、そのほかの組織においてはそうした牽制機能がないため、No.2の役割は非常に重要になります。

 もう1つは「トップが常に将来を考えられるよう、現状のすべてを行う役割が必要」ということです。本記事で私が強調したいことでもあります。読者の多くは、どこかの組織のトップでしょう。「自分は社長でも部長でも課長でもないぞ」という方であっても、何かの仕事(大きくても小さくても構いません)を進める時、何かを実行する時、誰でもトップとしての位置で行動しているはずです。

 そんな立場の皆様が「トップ」として決断し、行動や仕事を進める時に、もし自分がやらなければならない、自分が決断しなければならない、そのことを次のポジション(No.2の位置)の方が担ってくれたら、どうでしょうか?自分自身は次のことを考えたり、関連する他のプロジェクトや仕事との連携を広い目で考えたり、外部環境をより高い視点で見て進める等のことができるようになります。しかし「No.2」がいなければ、そうはいきません。今の仕事を着実に進めることに精一杯になってしまいます。

●Next:「No.2」が強い組織づくり──「トップ」と「No.2」がなすべきこと

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