アイ・ティ・アール(ITR)は2022年10月25日、国内におけるマニュアル作成支援製品市場の規模の推移を予測を発表した。2021年度の売上金額は前年度比16.7%で、2022年度は同18.6%増を見込む。働き方改革を背景に、業務の標準化や効率化においてマニュアル活用への需要が高まっており、市場が着実に拡大しているという。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内におけるマニュアル作成支援製品市場の規模の推移を予測を発表した。発表によると、2021年度の売上金額は前年度比16.7%で、2022年度は同18.6%増を見込む。働き方改革を背景に、業務の標準化や効率化においてマニュアル活用への需要が高まっており、市場が着実に拡大しているという(表1)。
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調査にあたってITRは、マニュアル作成支援製品・サービスを、「業務ルールやノウハウを蓄積・共有し、マニュアルの作成と更新を効率化するツール」と定義。同社は、「画面のポップアップなどのUI作成や、動画マニュアルの自動生成などの機能強化も進み、今後採用企業が拡大する」と見ている。
また、ITRは、「近年、各種業務でSaaSの導入が増えている。SaaSの利用の促進や定着化を支援する目的でもマニュアル作成支援製品・サービスの導入が進んでいる」と指摘。これらの要因から、同市場のCAGR(2021~2026年度)として16.8%を予測している。
ITRでは、マニュアル作成支援製品・サービスの需要が高まっている背景について次のように説明している。「テレワークにより、企業の働き方は非対面かつ場所・時間に制約のない『非同期型のコミュニケーション』が中心となった。この結果、業務のルールやノウハウについて組織的な『知の集約』が行われず、正しい業務の遂行や人材育成に課題を抱えている企業が増えている」。
今回の発表は、ITRの市場調査レポート「ITR Market View:カスタマーサクセス市場2022」に基づく。同レポートでは、デジタルアダプションプラットフォーム、マニュアル作成支援、FAQ作成管理、動画配信システム、Web社内報作成支援/社内情報共有の全5分野を対象に、国内全44ベンダーに調査を行い、その結果から算出された2020~2021年度売上実績および2026年度までの売上予測を掲載している。