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リコー、国内グループ13社の経理システムをクラウドに移行、年間50%のコスト削減を見込む

2022年11月29日(火)IT Leaders編集部

リコーは、国内グループ13社が利用する経理業務システムの稼働基盤をOracle Cloud Infrastructureに移行した。東京リージョンに本番環境を、大阪リージョンに遠隔バックアップ環境を構築した。システム性能を約30%向上しながら、従来比で年間約50%のコストを削減する見込み。日本オラクルが2022年11月28日に発表した。

 リコーは、国内グループ13社が利用する経理業務システムの稼働基盤をOracle Cloud Infrastructureに移行した。東京リージョンに本番環境を、大阪リージョンに遠隔バックアップ環境を構築した。システム性能を約30%向上しながら、従来比で年間約50%のコストを削減する見込み。2021年6月に構築を開始し、2022年8月に移行を完了し、稼働を開始している。

 同社の中期経営計画では、2025年までに、180の基幹システムのクラウド移行含む、約7割の基幹システム刷新を掲げている。基幹システムのクラウド化の一環として、UNIXサーバー上で運用していた経理業務システムをOracle Cloudに移行している。

 経理業務システムは、Oracle E-Business SuiteやOracle Databaseで構築したシステムで、約45TBのデータを含む大規模なシステム基盤である。ハードウェアの保守期限切れや老朽化に伴い、限られた期間内にユーザーへ影響を及ぼすことなくクラウドに移行する必要があったという。

 リコーは当初、システム変更、ユーザーへの影響、環境構築や移行により生じる膨大な時間とコストなどの懸念から、クラウドへの移行は困難なものと想定していた。Oracle Cloudで検証したところ、変更や移行時のダウンタイムなどユーザーへの影響を最小限に抑えらることや、Oracle Databaseの性能も高まることを確認できたため、Oracle Cloudへの移行を決定した。

 移行作業は、日本オラクルのコンサルティング部門の支援の下、リコーITソリューションズが実施した。リコーは従来、オンプレミスのデータセンターに本番環境を構築し、遠隔バックアップにテープバックアップを利用していたが、Oracle Cloudの東京リージョンに本番環境を、大阪リージョンに遠隔バックアップ環境を構築した。

 移行による業務への影響は一切なく、移行の際の業務影響を最小限に抑えたとしている。性能面でも、売掛金(AR)請求書処理、総勘定元帳(GL)仕訳処理の処理速度など、システム性能が約30%向上した。コスト面では、オンプレミス環境での運用時と比較して、年間で約50%削減できる見込みとしている。

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