日立製作所の米国子会社である米グローバルロジック(GlobalLogic)は2023年1月5日(米国現地時間)、ウルグアイのデジタルデータエンジニアリング企業、Hexacta(ヘクサクタ)を買収する契約を締結したと発表した。買収は、デジタルエンジニアリングサービスへの世界的な需要の高まりに応じて、提供サービスやエンジニア人材を拡充する継続的な戦略の一環としている。
グローバルロジックが、ウルグアイに本社を置くデジタルデータエンジニアリング企業のHexactaを買収する。規制当局の承認を経て、2023年3月までに買収を完了する予定。買収手続きの完了後、Hexactaはグローバルロジックの完全子会社として、既存の経営陣およびスタッフとともに事業を継続する。
Hexactaは1999年の設立以降、ラテンアメリカ一帯を中心に、ソフトウェア開発、ITコンサルティング、UI/UXデザイン、データエンジニアリング/分析サービスを20年以上にわたって提供している。ソフトウェア開発の全ライフサイクルに対する顧客中心の考え方と専門知識によって顧客に支持されてきたという。
グローバルロジックは買収の意義を、「カスタマーエンゲージメントを高め、新たな収益源を創出し、持続可能性を向上するために、世界中の企業で、デジタルを活用した製品・プラットフォームや、エクスペリエンス構築への投資が行われている。継続的な変革への動きは、当社やHexactaが提供するデジタルエンジニアリングの需要を生み出す」を説明している(関連記事:日立が1兆円で買収する米グローバルロジックはどんな会社なのか?)。
Hexactaは現在、アルゼンチン、コロンビア、ペルー、米国、ウルグアイに計10拠点を有している。その買収により、グローバルロジックはラテンアメリカでのプレゼンスの強化を図ろうとしている。「Hexactaのコンサルタントチームは、ビッグデータ分析、クラウドサービス、フルスタック開発、開発テストなど、デジタル製品/プラットフォームの構築に必要な専門知識を有している」(グローバルロジック)。
グローバルロジックはまた、 Hexactaのニアショア拠点(注1)戦略の優位性も高く評価する。「地理的な近接性と時差の少なさは、北米、南米の顧客にとって理想的である。グローバルロジックの能力と人材基盤を拡大するとともに、ラテンアメリカの優秀なエンジニアリング人材へのアクセスを獲得する」(同社)機会を見いだしている。
注1:ニアショア(Near shore)とは業務を国内地方都市など近くの企業に外注すること。オフショア(Off shore)は海外にある企業への受注を指す。
グローバルロジック 社長兼CEOのニテッシュ・バンガ(Nitesh Banga)氏(写真1)は次のようにコメントしている。「当社のサービスポートフォリオとニアショア拠点によるデリバリー能力が強化され、高い技術的専門知識と独自の業界ノウハウが加わる」。
一方の、Hexacta 創業者兼マネージングパートナーのフアン・ナヴァロ(Juan Navarro)氏は、「Hexactaが日立グループおよびグローバルロジックの広範なエコシステムに参加することで、当社のノウハウやサービスをはるかに大きな市場に提供し、より広範・大規模な事業基盤を一度に獲得できる」と述べている。