[調査・レポート]
Java開発部品「Spring」を使う開発者の93%がマイクロサービスを実装、主要用途はAPIの公開─VMware調査
2023年3月29日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ヴイエムウェアは2023年3月29日、Javaアプリケーション開発部品「Spring Framework」の利用状況を調査した資料『2022年Springの現状』をリリースした。調査はグローバルで2020年以降毎年実施しており、今回の2022年調査は3回目となる。これによると、アプリケーションの実装形態は、回答者の93%がマイクロサービスを実装していると回答。主要なユースケースはAPIの公開で、OpenAPIとGraphQLの利用が拡大している。
ヴイエムウェアは、Javaアプリケーション開発部品「Spring Framework」(以下、Spring)の利用状況をグローバルで毎年調査している。今回、3回目となる2022年調査の結果をまとめた資料『2022年Springの現状』を公開した。
調査対象は、各種の規模の組織でSpringを使っている開発者やアーキテクト、開発マネージャで、2022年の調査では日本(1%)を含む1421人が回答。なお、調査の実務は、米ヴイエムウェアの委託を受けた米ディメンジョナル・リサーチが担当した。
マイクロサービスなどモダンなアーキテクチャの採用拡大
2022年の調査によると、アプリケーションの実装形態は、回答者の93%がマイクロサービスを実装していると回答(図1)。前年の94%に引き続き、モダンなアーキテクチャの採用が拡大する傾向が続いている。サーバーレスは、前年の19%から24%へと大きく増えた。同社によると、Springのメリットの1つは、開発者が言語やフレームワーク(開発部品)を新たに習得することなく、最新の技術を取り入れることが可能なことである。
2022年の調査からは、アーキテクチャに関する回答項目として「モジュラーモノリス」を追加。この項目は、ビジネス要件の変化に対応するため、モノリシックなアプリケーションを効率的に進化させることを目的に「モノリシックかつモジュラー型のシステム」というコンセプトが再び注目を集めるようになってきたことを受けて追加したという。
調査では、回答者の42%がモジュラーモノリスを実装していると回答。これに対して同社は、「回答者の多くは実際には従来型のモノリスを実装している可能性が高い」と見る。根拠として、「主にモダンなアーキテクチャを使用している」と答えた回答者のうち「モダンと従来型の両方のアーキテクチャを併用している」と答えた回答者の割合が69%であったのに比べ、「モジュラーモノリスを使用している」と 答えた割合が27%と大幅に低かったことを挙げている。
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