マクニカは2023年4月13日、データを暗号化したまま計算する秘密計算技術を提供する米トリプルブラインド(TripleBlind)と販売代理店契約を交わしたと発表した。企業間のデータ活用を推進しつつ、同時にプライバシー保護/コンプライアンスを成立させることを狙う。
マクニカが販売を開始する米トリプルブラインド製品は、データを暗号化したまま計算する「秘密計算技術」を実装している(図1)。これにより、個人情報保護法や欧州のGDPRといった規制基準を遵守したうえで、個人情報や医療情報などの規制対象データや、健康記録や銀行取引などの機密データを安全に共有/利用/商用化できるようになる。
図1:秘密計算技術を用いた米トリプルブラインド製品によるデータ共有の仕組み(出典:マクニカ)拡大画像表示
同秘密計算技術は、従来の技術・暗号化方式(データそのものを暗号化して通信)とは異なり、データの所有者はファイアウォールの外部に「生データ」を出すことなく、データの利用者はファイアウォールの外側に「アルゴリズム」を見せることなく、安全にデータを共有可能である。
同社の技術は、医療業界や金融業界をはじめとした海外企業で事例が多いという。例えば、大手非営利医療機関である米メイヨークリニック(Mayo Clinic)では、ほかの病院や研究開発機関との間で患者データを安全に共有・解析し、効果的な治療方法や診断手法を開発している。このほか、金融業界では、不正請求検知やアンチマネーロンダリングなどに対し、企業や国境を越えたデータ共有・AI分析による対策強化を可能にした事例などがある。
マクニカは、データ活用を推進するための製品・サービスとして、データ分析基盤「Splunk」、レイクハウス基盤「Databricks」、次世代匿名加工技術「brighter AI」などを提供してきた。今回、上記に加えてトリプルブラインドの製品を提供することにより、セキュリティ/プライバシー保護を強化する。
「データが企業競争力の源泉となるなか、自社内だけでなく企業間でのデータの流通量も増えている。例えば、金融業界においては、他社(証券会社や取引所)が提供する取引データを利用した投資戦略の立案やリスク管理などが注目を集めている」(マクニカ)
「一方で、取り扱うデータの特性によっては、個人情報保護法や不正競争防止法など各種法案に対する確認と対策が必要になる。また、「データの目的外流用や横展開、漏洩などの懸念から、社外横断でのデータの共同分析が進まないケースも少なくない」(同社)
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