[新製品・サービス]
従量課金型インフラ「Dell APEX」を拡充、オンプレミスに加えてクラウドからSDSを提供
2023年6月23日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
デル・テクノロジーズは2023年6月23日、都内で説明会を開き、プライベートイベント「Dell Technologies World 2023」(同年5月22・23日開催)で発表した主要なサービスを紹介した。従量課金型サービス「Dell APEX」の新サービス群と、サーバーなどのエッジ機器の初期導入と運用を簡素化する運用管理ソフトウェア「Dell NativeEdge」にフォーカスして説明した。Dell APEXでは、オンプレミスだけでなくパブリッククラウド上でもサービスを提供する。
デル・テクノロジーズは、プライベートイベント「Dell Technologies World 2023」(5月22~23日開催)で発表した主要なサービスの1つとして、従量課金型サービス「Dell APEX」の新サービス群について説明した。ポートフォリオの大きな変化として、オンプレミスのITリソースを従量課金型で使えるだけでなく、パブリッククラウド上でもITリソースを提供する。
ストレージソフトウェアをパブリッククラウド上で提供
Dell APEXは、ITリソースを従量課金型で提供するサービスである(図1)。デル・テクノロジーズが保有するストレージやサーバーなどのITリソースをユーザー企業のオンプレミス環境に設置し、これを契約容量などの従量制で課金する。IaaS型クラウドサービスのように、管理コンソールを介して、必要なサービスレベルを選択してスケールアップ可能である(関連記事:デルのオンプレミス+従量課金型ストレージ「APEX Data Storage Services」、ユーザー自身で管理可能に)。
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Dell APEXの動向の1つは、従量課金型で提供するITリソースを、オンプレミスだけでなくパブリッククラウドにも拡大していることである。同社のストレージをSDS(ソフトウェア定義型ストレージ)化し、これをパブリッククラウド上で動作させて提供する(図2)。
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ブロックストレージ「Dell APEX Block Storage for AWS/Azure」は、ブロックストレージのDell PowerFlexをSDS化してクラウド上で提供するサービスである。AWSではすでに提供を開始している。Azure上では2023年後半に提供を開始する。
ファイルストレージ「Dell APEX File Storage for AWS」は、ファイルストレージのDell PowerScale OneFSをSDS化してクラウド上で提供するサービスである。AWSで提供済み。Azure上での提供も予定している。
データバックアップ用ストレージ「Dell Protection Storage for Public Cloud」は、データバックアップ用ストレージの「Dell PowerProtect DD」をSDS化してクラウド上で提供するサービスである。各種パブリッククラウドサービス上で提供している。
ハイブリッドクラウド運用を支援するサービスも提供
コンテナ運用基盤ソフトウェアをオンプレミスで運用するサービス「Dell APEX Cloud Platforms」も2023年後半に提供する(図3)。3つのクラウドスタック(Red Hat OpenShift、Azure Arc/Azure Kubernetes Service、VMware Cloud)を同社のハードウェアと組み合わせ、垂直統合型システムとしてオンプレミスに設置し、従量課金型で提供する。
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APEXサービスの運用管理ツール「Dell APEX Naviogator」も用意し、2023年後半に提供する。マルチクラウド環境のストレージ管理用途の「APEX Navigator for Multicloud Storage」は、パブリッククラウドへのAPEX Storageのデプロイ、ストレージの監視(健全性、性能、容量)、オンプレミスとパブリッククラウド間のデータ移行、といった機能を提供。コンテナ管理の「APEX Navigator for Kubernetes」は、コンテナ環境に永続ストレージをデプロイする機能などを提供する。
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