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NRI、金融機関向けAIシステム基盤を発表、顧客の専有環境をNRIのDCに構築
2024年9月11日(水)IT Leaders編集部
野村総合研究所(NRI)は2024年9月10日、金融機関向けAIシステム基盤「NRI 金融AIプラットフォーム(仮称)」を2025年度上期中に提供開始すると発表した。金融ビジネスに特化したLLMを提供する。顧客ごとの専有環境をNRIのデータセンターに構築することで、安全かつ柔軟に生成AI/LLMを活用できるようにする。
野村総合研究所(NRI)の「NRI 金融AIプラットフォーム(仮称)」は、金融機関向けのAIシステム基盤である。金融機関が蓄積するナレッジと生成AI/大規模言語モデル(LLM)を組み合わせた事業創出・改革が注目される中、その活用にあたっては個人情報や機微情報の管理・保護が重要課題になっていることを受けて提供する。
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同プラットフォームでは、顧客ごとの専有環境をNRIのデータセンターに構築することで、安全かつ柔軟に生成AI/LLMを活用できるようにする(図1)。
合わせて、金融ビジネスに特化・最適化されたLLMを提供する。「Cohere(コーヒア)」をベースに(Cohere以外のLLMも検討)、NRIの金融領域の知見および金融機関向けITサービスのデータを取り込んで、回答の信頼性と正確性を高める。また、最新のGPUを導入し、金融機関が求める性能要件をクリアするとしている。
データ所有者が自分のデータを制御および管理する権利「データ主権」を確保したAI環境を提供する。金融機関が求める高いセキュリティ水準に対応するため、NRIのデータセンターに導入した「Oracle Alloy」を用いて顧客の専有環境を構築する。「生成AI/LLMなどの処理をデータセンター内で完結させる。データ主権を確保しながら、堅牢かつ柔軟に活用できるAI環境を提供する」(NRI)としている(関連記事:NRI、Oracle AlloyによるIaaSを提供開始、金融向けに“NRIマルチクラウド”の選択肢を拡充)。
NRI 金融AIプラットフォームの提供開始時期は2025年度上期中を予定する。同プラットフォームによって、NRIのデータセンターから提供する既存のITサービスにおいても、シームレスかつ安全にAIを導入可能になるという。
「これまでに培った金融ビジネス支援のノウハウを基に、特にAIの適用効果が高いと考えられる、営業業務支援、コンプライアンス業務支援、事務の高度化・自律化について、金融AIプラットフォームを活用した新たな金融サービスの提供を予定している」(同社)