[調査・レポート]
回答者の9割がソフトウェア自動化開発プロセスでAIを使用中/使用予定─UiPath調査
2024年10月2日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
UiPathは2024年10月2日、企業・組織における自動化の現状、未来、認識についてのグローバル年次調査レポート「State of the Automation Professional Report(自動化プロフェッショナル実態調査レポート)」を発表した。世界中の組織で自動化に携わるITプロフェッショナルおよび研究者1909人に調査したところ、90%がソフトウェア自動化開発プロセスでAIを使用している、もしくは今後1年以内に使用を予定していると回答している。
UiPathは、企業・組織における自動化の現状、未来、認識についてのグローバル年次調査レポート「State of the Automation Professional Report(自動化プロフェッショナル実態調査レポート)」を公開した。
調査対象は、世界中の組織で自動化に携わるITプロフェッショナルおよび研究者である。5年目となる今回(2024年)は1909人が回答している。また、回答者の51%は、日本を含むアジア太平洋地域からである。
調査によると、回答者の90%が、ソフトウェア自動化プロセスにおいてAIを使用している、もしくは今後1年以内に使用を予定していると回答している(図1)。
AIをワークフローに組み込む主な動機を尋ねたところ、生産性の向上(66%)が3分の2を占めた。「自動化のプロフェッショナルは、コードを書く(67%)、文書の作成(57%)、テストの実行(47%)など複数の方法でAIを活用している」(同社)という。
組織体制面で見ると、回答者の大半においてソフトウェア自動化チームの規模が拡大している。回答者の61%は、過去1年間に自社がソフトウェア自動化に従事する人員を増やしたと回答。また、回答者の81%は、来年には組織が自動化のプロを追加雇用するだろうと考えていることがわかった。
自身のキャリアについては、回答者の70%は、今後5年間ソフトウェア自動化の業界にとどまるとしている。また、86%は、「どのようなキャリアを歩むにしても、現在の仕事が将来のキャリアアップに役立つ」と考えている。また、84%以上がソフトウェア自動化分野の成長を信じており、「来年は組織でさらに重要な役割を担うようになる」との回答が80%に上った。
ソフトウェア自動化ツールを5年以上使用している組織は、2023年(47%)に対して今年は60%と大きく増加。自動化ツールの主な用途として、経理・財務部門(67%)、IT部門(53%)、オペレーション部門(51%)が挙がった。
このほか、回答者の81%が、最低でも週に数回は自動化プロジェクトでAI製品を使用している。自動化にAIを組み込むことが難しいと考える回答者は19%にとどまっている。
今回の結果について、UiPath プロダクトマーケティング部 部長の夏目健氏は次のようにコメントしている。
「グローバルでAIと自動化に関連した技術的発見や準備が2023年よりも進んでいて、この傾向は日本でも同様と感じる。自動化のプロフェッショナルは、自動化プロジェクトにおける特化型AIや生成AIの統合による大幅な進歩から多くのメリットを得ている。今後、さらに有能なエージェント型AIワークフローも登場するだろう。ビジネスにおける自動化とAIの組み合わせは互いを補完するもので、引き続き、組織改革や生産性向上に寄与すると見られる」