[市場動向]
メタルワン、自動車鋼板の調達を効率化する「日次共通納期管理表サービス」をIBMと共同開発
2024年10月15日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
鉄鋼総合商社のメタルワンは2024年10月10日、鉄鋼業界向けサプライチェーン支援サービス「日次共通納期管理表サービス」を日本IBMと共同で開発し、同年8月に提供開始したと発表した。自動車鋼板流通を支援するITサービス群「Metal X」の第2弾で、鋼板の日次調達を効率化する。
鉄鋼総合商社のメタルワンの「日次共通納期管理表サービス」は、自動車鋼板の日次調達を支援するアプリケーションである。日本IBMと共同で開発した。
サプライチェーンを横断して、日々の受発注や出荷・納入状況の管理を簡素化する。自動車鋼板流通を支援するITサービス群「Metal X(メタルエックス)」の第2弾として提供する(図1、関連記事:メタルワンと日本IBM、自動車鋼板サプライチェーン全体のデータ活用基盤「Metal X」を構築)。
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日次共通納期管理表サービスは、以下の2機能で構成する。これらにより、発注者(外注先も含む)と受注者が共通の管理表で注文情報と出荷情報をリアルタイムに確認できるようになる。
- 複数商社・コイルセンターに対して効率よく新規注文/注文変更を行う機能
- 注文に対する出荷予定や納入実績の一元管理機能
従来は、受注者である商社やコイルセンターに電話やファクス、メールなどで注文内容を伝達し、受注者が管理していた。新サービスでは、発注者と受注者が入力した注文情報や出荷情報を企業間や部署間で一元管理が可能になる。
発注者・受注者共に受発注や注文変更の工数を減らし、一元管理によって、注文情報と出荷情報を伝達する業務の属人化を排除する。注文・受注の履歴管理によって、注文状況に関わる認識の齟齬を減らす。
Metal Xは、サプライチェーン内でのデータの共有によって自動車業界の流通を支援するITサービス群。2023年4月に第1弾として、企業を横断してBOM(部品表)を管理し、月次の鋼材所要量を自動で算出するサービスを提供開始。すでに自動車/部品メーカーなど複数ユーザーが利用している。メタルワンは今後もMetal Xの新サービスを提供していくとしている。