[事例ニュース]

THK、21カ国33拠点のグローバル会計システムを刷新、SAP ECCからS/4HANA Cloudに移行

ブラウンフィールド方式で業務影響を抑えて1年で移行完了

2024年10月21日(月)IT Leaders編集部

機械要素部品メーカーのTHK(本社:東京都港区)は2024年10月18日、21カ国33拠点のグローバル会計システムを刷新した。日本IBMの支援の下、クラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」による新システムを導入支援サービス「RISE with SAP」を用いて構築。クラウドERPへの移行を12カ月で完了させ、2024年6月に稼働開始、翌7月に四半期決算処理を完了させている。

 機械要素部品メーカーのTHKは、「ものづくりサービス業」をビジョンに掲げ、日本、米州、欧州、アジアにおいて、現地で生産して販売する製販一体の体制の下、資本財から消費財(民生分野)への展開など、グローバルで事業領域を拡大している(図1)。

図1:THKがグローバルで取り組む資本財から消費財(民生分野)への展開(出典:THK)
拡大画像表示

 こうした成長戦略の一方、国内外の21カ国33拠点/200ユーザーが利用する、SAPのグローバル会計システムは、2013年の導入から10年が経過。ハードウェアの保守終了も迫り、「SAP ECC」から「SAP S/4HANA Cloud」(画面1)への移行が急務だった。

 そこで、日本IBMの支援の下、システム刷新プロジェクトが始動。S/4HANA Cloudの導入支援サービス「RISE with SAP」を用いて、クラウドERPへの移行に取り組んだ。プロジェクトを12カ月で完了させ、2024年6月に新システムが稼働開始、翌7月に四半期決算処理を完了させている。

画面1:SAP S/4HANA Cloud Public Editionの画面例(出典:独SAP)
拡大画像表示

 グローバルで共通のシステム基盤を利用するという構想の下、新システムでは全拠点を同一バージョンとするシングルインスタンス構成をとる。加えて、業務プロセスの変更を最小限に抑えるべく、既存SAPシステムの資産をコンバージョンして利用するブラウンフィールド(Brownfield:システムコンバージョン)方式を採用。これらが12カ月という短期間でのプロジェクト完了に寄与したという。

 なお、日本IBMは、THKに対して、グローバル会計システムのほか、経費精算の「SAP Concur」、BPO/間接材業務標準化のための「SAP Ariba 支出管理」など、経理財務領域のSAPアプリケーション構築の運用保守を支援している。

 THKは今後、国内外の新拠点にグローバル会計システムを展開していくほか、システムの機能拡張を計画している。

関連キーワード

THK / 製造 / 基幹システム / 会計 / SAP / S/4HANA Cloud / クラウド移行 / IBM / SAP2027年問題

関連記事

トピックス

[Sponsored]

THK、21カ国33拠点のグローバル会計システムを刷新、SAP ECCからS/4HANA Cloudに移行機械要素部品メーカーのTHK(本社:東京都港区)は2024年10月18日、21カ国33拠点のグローバル会計システムを刷新した。日本IBMの支援の下、クラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」による新システムを導入支援サービス「RISE with SAP」を用いて構築。クラウドERPへの移行を12カ月で完了させ、2024年6月に稼働開始、翌7月に四半期決算処理を完了させている。

PAGE TOP