[事例ニュース]
メニコン、AWSで運用中の顧客サービス「Club Menicon」の提供基盤を拡充
2024年11月12日(火)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
コンタクトレンズメーカーのメニコン(本社:愛知県名古屋市)は、顧客に特典や最新情報などを提供する「Club Menicon」のクラウド提供基盤を拡充した。ポイント管理/コンタクトレンズ交換通知の仕組みをAWS上に再構築し、顧客サービスの向上を図っている。システム構築を支援するスカイアーチネットワークスが2024年10月31日に発表した。
国内最大手のコンタクトレンズメーカーであるメニコンは、顧客サービス「Club Menicon(クラブメニコン)」を運営している。同サービスを通じて、顧客に製品の最新情報やポイントサービス「MENICOiN(メニコイン)」などの特典を提供している。2024年現在、130万人超の会員が登録している。
メニコンは以前に、Club Meniconのシステム基盤をオンプレミスからAmazon Web Services(AWS)に移行している。今回、スカイアーチネットワークスの支援を得て、同サービスの主要機能であるポイントサービス管理とコンタクトレンズの交換通知について、提供基盤をAWS上で再構築した。
ポイントサービス管理では、ポイントを付与するキャンペーンごとにシステムの構成を調整している。従来のシステムは、キャンペーンのたびにシステム側で多数の作業が発生していた。そのため、例えば「アンケートに回答するとポイントを付与するキャンペーン」の実施では、ポイントの付与が翌月にならざるをえなかったという。
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今回、AWS上にシステムを再構築したことで、システム構成の調整に要する工数が約3分の1に減った。メニコンによると、現在、ポイント付与に関わるキャンペーンが約40件同時進行しているが、担当者は以前の繁忙なポイント付与作業から解放されたという(図1)。
一方のコンタクトレンズ交換時期の通知機能は、ネイティブアプリ内にWebページを表示する「Web View」を採用したClub Meniconのモバイルアプリに備わっている。しかし、従来のシステムでは画面遷移が多いなどのUI/UXの問題から、App StoreやGoogle Storeでのアプリの評価が低かった。
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再構築では、Web Viewの仕組みを継続しつつ、ブラウザベースでありながらアプリのようにスムーズに動作することを追求。リニューアル後、レビューやカスタマーセンターには高評価の口コミや反響が増えているという(画面1、図2)。
運用面では、サーバーレス構成で構築したことで運用管理コストの削減を図っている。メニコンは今後、SMSなど他の手段での通知を取り入れるなど、細かな改修を進めるとしている。
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