[調査・レポート]

国内RPA市場は年10%超で堅調に推移、オンプレミス製品が9割─デロイト トーマツ ミック研

生成AI連携による非定型帳票処理などユースケースが拡大

2024年11月22日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

デロイト トーマツ ミック経済研究所は2024年11月18日、国内RPA市場(製品ライセンス、コンサルティング、SIサービス)の調査結果を発表した。2023年度の実績は前年比113%の903億円、2024年度の見込みは同114%、2025年度は同114%と、堅調に成長する。今後も、生成AI連携による非定型帳票の処理などにより、堅調な推移を予測しているという。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、国内RPA市場(製品ライセンス、コンサルティング、SIサービス)の調査結果を発表した。調査期間は2024年9月~11月で、ベンダー15社を調査するとともに、その他ベンダー6社を加えて推計した。

 調査によると、RPA市場規模は、2022年度の実績が795億円、2023年度の実績が903億円(前年比113%)、2024年度の見込みが1034億円(同114%)、2025年度の見込みが1183億円(同114%)と堅調に推移している。

図1:RPA市場のカテゴリ別中期予測(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
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 カテゴリ別では、2023年度実績で、製品ライセンス(94.6%)、コンサルティング(4.6%)、SIサービス(0.8%)の順である(図1)。製品ライセンスがほとんどを占めている。また、製品ライセンスの内訳はオンプレミスが約90%を占めており、RPA市場を引き続き牽引していく。

 中期予測では、総市場規模は、2027年時点で1541億円になる(年平均14.1%で成長)。要因として同社は、生成AI連携による文書作成支援や非定型帳票処理といったユースケースの広がりや、非構造データ処理など非定型業務へのルール対応などの需要を挙げている。

 表1は、デロイト トーマツ ミック経済研究所が挙げるRPAの主なユースケースである。

表1:RPAの主なユースケース(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
カテゴリ 主な適用業務
ビジネスプロセス
(バックオフィス)業務
=主に定型業務処理
財務会計:経費処理などExcelデータのERPシステム連携
人事給与:出退勤データの取り込み、勤務状況分析
販売管理:受発注処理:見積、受注、請求、入金消込処理、他
販売管理:購買管理、在庫管理:購買管理システム連携、在庫管理システム連携
販売管理:顧客管理、契約管理:顧客管理/契約管理システム連携、CRMシステム連携
生産管理:工程管理、設計開発、設備管理、異常予兆検知
システム運用管理:システム監視、テスト自動化、キッティング
フロントオフィス業務
=非定型業務処理寄り
コールセンター:問合せメール処理、カスタマーサポート
営業支援:各種申請処理、営業事務処理等のワークフロー
マーケティング:Webクローリング、POSデータ収集、データ分析
その他フロントオフィス業務:LLM/生成AI連携による文書作成支援、非定型帳票処理

 今回の調査結果の概要は、同社の調査結果レポート「LLM(大規模言語モデル)/生成AI連携と非定型処理の自動化に向け進化するRPAソリューションサービス市場動向 2024年度版」(2024年11月発刊)に基づく。

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