TD SYNNEXと日本IBMは2024年12月23日、生成AIプラットフォーム「IBM watsonx」を組み込んだ生成AI開発用のアプライアンスサーバーを提供開始したと発表した。サーバーにAIソフトウェアやOSをインストールする手間なく、自社専用の生成AIモデル開発/運用環境を迅速に構築できるとしている。
米TD SYNNEX日本法人のTD SYNNEX（TDシネックス）は、日本IBMの生成AIプラットフォーム「watsonx.ai」を組み込んだ生成AI開発/運用のためのアプライアンスサーバーを提供開始した。
ユーザー自身でサーバーにAIソフトウェアやOS/ミドルウェアをインストールする手間やコストを省き、自社専用の生成AIモデル開発・運用環境を迅速に構築可能である。「昨今はSaaS環境での生成AIの利用が拡大し、自社独自のプロセスや機密情報を基にした独自の生成AIモデルを開発する企業が増えている。こうした中、セキュリティやデータ保護の観点からオンプレミス環境で使えるAI開発環境が求められている」（両社）ことからアプライアンスサーバーの提供に至った。
watsonx.aiやコンテナ実行環境「Red Hat OpenShift」、サーバー仮想化環境「VMware」といったソフトウェアを組み込んでアプライアンスとして提供する。watsonx.aiは、「利用コストが低く、軽量で生成処理が速い」（TD SYNNEX）ことから採用。ユーザーのユースケースに応じて、各領域に特化したAIアプリケーションの構築が容易であるとしている（図1）。
図1：生成AIプラットフォーム「watsonx.ai」の概要（出典：日本IBM）拡大画像表示
アプライアンスサーバーの導入支援は、TD SYNNEXがクレスコと提携して行う。エンドユーザー向けに生成AIの開発/運用に関する人材育成や要件定義、AIアプリケーション構築の技術支援といったSI/人材育成サービスも提供する。
TD SYNNEXとクレスコは、共同でマーケティング/営業活動を行い、提携パートナーも拡充していく予定。サーバーだけでなく、ワークステーションやPCなどに生成AIを組み込んだシステム製品の開発・提供も検討していくという。
