[調査・レポート]
IT投資を増やす国内企業は過去最多レベル、DXやAI活用に向け人材を拡充─ITRアナリストが調査結果を読み解く
2025年1月21日(火)愛甲 峻(IT Leaders編集部)
アイ・ティ・アール(ITR)は2001年より毎年、国内企業を対象にIT投資の増減傾向や方向性などを多角的に調査・分析する「IT投資動向調査」を実施している。2024年12月、同調査の2025年版の発表に伴い、同社アナリストの三浦竜樹氏、水野慎也氏、入江光浩氏が座談会形式でブリーフィングを行い、国内企業のIT投資/戦略の現状や変化、今後の展望などを解説した。直近ではIT投資は増加傾向にあり、AI活用への投資意欲の高まりが際立つ一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展は緩やか、ただし着実に進展しているという。
アイ・ティ・アール(ITR)が国内企業を対象に2001年から継続して実施している「IT投資動向調査」。ユーザー企業のIT戦略やIT投資に携わる意思決定者などに、自社のIT投資の増減傾向や戦略、組織・人材の状況、製品・サービスへの投資意欲などを尋ね、その結果を分析している。
2024年11月26日に公表した、最新版となる「IT投資動向調査2025」では、2374人から有効回答を集めている(関連記事:45%の国内企業が2025年度のIT予算を増額、新規導入/投資増の1位は生成AI─ITR)。
調査の結果、「IT投資予算が増加した」とした企業の割合は前回(2024年版)と同じく44%となった。もっとも、前回は3ポイントの増加で過去最高水準となり、また2025年度予想でも1ポイントの成長が見込まれるなど、全体として増加傾向にある(図1)。
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IT投資の増減を指数化し、経年変化を表したのが図2だ。直近5年で実績値は上昇しており、こちらも最高値を記録した2006年度に迫る水準だ。ITR シニア・アナリストの入谷光浩氏(写真1)は、IT機器・サービスの料金や人件費などのコスト増も影響しているとしつつ、「デジタルトランスフォーメーション(DX)とAIへの投資意欲の向上が上昇トレンドを牽引している」と説明した。
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